先日、スコッチグレインの定番シューズの中で一番いい靴を買いま
スコッチグレイン自体、リーガルなどに比べて知名度が低く、店舗も少ないので、情報が少なかったので試してみたかったこともあります。
この記事では、スコッチグレイン最高峰の「インペリアルプレスティージ」についての解説と、使用感のレビュー、スタンダードクラスの革靴との比較をしてみました。
インペリアルプレスティージはスコッチグレインで一番いい革靴
スコッチグレインの定番革靴は値段と品質によって3つのランクに分かれています。
オンラインストアの表記に従うと、次の通りです。
スタンダード(3万~4万)<プレミアム(4万~5万)<エグゼクティブ(5万~6万)
今回購入した革靴はエグゼクティブクラスでした。
その名も「インペリアルプレスティージ」。スコッチグレインが「
一つ下のモデルにインペリアルⅡなどがあるのですが、大きな違い
通常、靴づくりではボリュームディスカウントなどが目的で、なめ
ところがインペリアルプレスティージは、原皮(なめして卸す前の
使用されているのは、フランスにあるアノネイ社の最高級皮革であ
ちなみに「Alluy calf」などと検索しても引っかかりません。そもそもスコッチグレインがアノネイ社に注文している特注品なので、本当の呼び名はわかりませんでした。企業秘密かもしれません。
まさに、革靴を作るために絞り込んだ牛革ですが、通常は靴ではな
本来、靴に使うのはもったいない!ということでしょうか。
色々となじみのない単語や固有名詞が出てきましたが、要はフラン
インペリアルプレスティージの着用感。なめらかな履き心地と見下ろす美しさに気分も上がる
インペリアルプレスティージは、同社他製品と比べて履いた感触に差がありました。
秘密はソールの素材にあって、通常の製品とは違ってオイルレザーを採用しているそうです。
革のブーツなどに使われている素材と同じものですね。
ちなみにこちらがプレミアムクラス相当に使われているものです。
通常は耐久性とコストを考慮して、つま先にはゴムが使われていることが多いようです。
履き心地の良し悪しはさておき、インペリアルプレスティージは比較的滑りづらいです。
もちろん、ラバーソールには及ばないのですが、他のレザーソールと比べて、店内でツルツル滑ってズッコケそうになる、なんていうことはありませんでした。
店員の方いわく、粘りのある歩き心地だそうです。
つま先にゴムが使われていないので、普通に使うとソールのトップがモリモリ削れます。
スコッチグレインの直営工場では、つま先だけの補修は行っていないため、ある程度つま先が減ってきたら、街中の修理屋で補強しようかと思います。
ヴィンテージスチールなんか粋ですね。
見た目ですが、甲のきめ細かさ、美しさには感嘆させられます。庶民の私にとっては、チリをつけるのすらためらわれます。
細部のこだわりもさることながら、なんだかんだいっても、革靴の本質は革にあると思わせてくれる出来栄えです。
ディテールやブランドなど、革質にくらべればさほど重要ではありません。革の美しさこそ、まぎれもない革靴の良し悪しの原点なのです。
自分の身だしなみは他人にしか見えないものですが、靴だけは鏡なしでも見ることができるので、アッパーの輝きは満足感を与えてくれます。
このキメ、輝き、写真で伝えきれないのがまことに残念です。
インペリアルプレスティージと他の靴とを比較してみた
先ほど、スコッチグレインのグレードについて言及したとおり、値段ごとのラインナップは次のようになります。
スタンダード(3万~4万)<プレミアム(4万~5万)<エグゼクティブ(5万~6万)
私が持っているのはスタンダードとプレミアムです。
ちょうど、今回購入したものと同じデザイン、黒のストレートチップがあるので比較してみましょう。
比較対象はこちら、スコッチグレインのエントリーモデル「アシュランス」です。
3~4年ほど前に購入しましたが、1か月に1度クリームを入れていますので、そこそこ真面目に手入れしているほうです。
その辺の適当な靴よりはピカピカしていると自負しています。
そしてこちら、新しく購入した「インペリアルプレスティージ」です。
写真だとわからないかもしれませんが、輝きが一段階上のレベルです。光沢仕上げしているのかもしれませんが。
じっくり間近で見ると、革のきめ細かさが見て取れます。凹凸の少なさが、この光沢を産んでいるのでしょう。
実にほれぼれします。
お次はデザインについて。
奥がアシュランス、手前がインペリアルです。
アシュランスはつま先がスクエア場になっていますが、インペリアルプレスティージは自然な楕円形です。アーモンドチップと呼ぶのだとか。こちらは好みですね。
靴ひもを通す穴は、5つか6つの差ですが、インペリアルの靴紐はオイルかなにかで加工してあるのでしょうか?固めの感触でしっかり結べます。
側面です。インペリアルのほうが革が分割されているのが見て取れます。
理由ですが継ぎ目が多いほど、無駄なく資材を使えるのだそうです。
さすがに貴重な皮を使っているからか、一枚張りで大胆に使うわけにはいかないようです。
さて、もう一度こちらの写真。
ストレートチップ最大の特徴の横一文字部分です。
アシュランスは一般的な加工ですが、手前のインペリアルはタイピング処理といって、縫い目の目立たない製法を採用しています。
よく手間暇かけられています。
参考までに、お店で「インペリアルⅡ」(右)と「インペリアルプレスティージ」(左)を並べてみました。
タイピング処理した縫い目、おわかりでしょうか?
最後にですが、インペリアル以上の靴は、シューズバッグとシューキーパーがオマケでついてきます。
これが非常にうれしい。
シューキーパーは同店で購入する8千円のものと同等だそうです。
シューズバッグの存在も、旅行好きにとってはありがたいです。
欧米では靴の良し悪しで店員の対応が変わってきてしまうので、かばんに忍ばせやすいシューズバッグは、何かと重宝します。
これを履いて、ヨーロッパの高級レストランに殴り込みたい気分になります。
色々書きましたが、総合的には値段以上の上等な一足だと思います。
スタンダードとエグゼクティブを比べると、3万円と6万円、実に2倍の開きがありますが、これだけのクオリティなら、個人的には3倍出しても惜しくないです。安いに越したことはありませんが。
同じレベルで有名どころの輸入物なら、軽く10万円以上するのではないでしょうか?
私としては大変気に入りました。たぶん、壊れたらまた買います。
スコッチグレインの上級ラインは直営店以外では手に入りづらい
スコッチグレインでプレミアム以上をうたっている製品は、直営店
理由はシンプルで、そもそも素材を厳選して作っているので、多く
スコッチグレインでは国産の原皮と欧州産の原皮を利用しています
これは、産地の呼称が最終加工地によって分かれる
良質な皮ほどヨーロッパでバッグなどに消費され、余った皮が日本
欧州製の皮が日本製を上回るという図式は、このような消費構造か
スコッチグレインのプレミアムランク以上に使われている原皮は、
しかし、ヨーロッパ産の皮でも、部位によっては高級ラインの靴を
こういった部位がアウトレットやアマゾンの限定モデルとして販売
もしもスコッチグレインの上級ラインを見たいのなら、迷わず直営店の訪問をおすすめします。
シューフィッターの方が足のサイズを計測し、最適な靴を提案してくれるでしょう。
写真では絶対伝わり切らないので、ぜひ実物を見て、履いていただきたいですね。
また、銀座店と大阪店、御殿場店(アウトレット)を訪れた感想ですが、靴好きで造詣の深い店員さんが多いです。
手入れの方法や革についてのあれこれなど、気になることがあれば質問してもいいと思います。
ただし、スコッチグレインの直営店舗は、東京と大阪にしかありません。
その他の地域に住んでいる場合、オンラインストアでの購入が現実的です。
オンラインストアでは売り切れでも、店舗には置いてあるということが往々にしてありますので、本当は直営店に行くのが一番なのですが。
なお、あまり知られていませんがAmazonでも取り扱いがあります。
試着や返品に関しては手厚いので、初めての一足をオンラインで購入するなら、Amazonという選択肢もあるでしょう。
[スコッチグレイン] 内羽根5アイレットストレートチップ 503526 メンズ ブラック 25.0 cm 3E
ベーシックモデルの「アシュランス」相当で、大人しめのデザインです。私の初めての一足でした。
[スコッチグレイン] 内羽根ストレートチップ 05A0026 メンズ ブラック 27 cm
こちらはAmazon限定モデルです。上のモデルに比べて細身のシルエットです。