旅の知恵

機内に持ち込めないもの、預け手荷物にできないものの見分け方。

投稿日:2020/03/27 更新日:

飛行機旅行には持ち込めないものがあることは広く知られていますが、持ち込みにいろいろなお約束があるのはご存じでしょうか?

せっかくの旅行、飛行機の荷物検査で引っかかって、身の回りのものやお土産を没収されたくはないですよね。

この記事は、飛行機に持ち込めないものが気になっている人に向けた参考書のような記事にしました。

全アイテムを網羅するとわかりづらいので、間違いやすいものや、よく持ち込まれるものについてまとめています。

目次

飛行機に乗るときは持ち込みに注意すべきものがたくさんある

飛行機は空飛ぶ密室です。

車と違って脱出が困難であり、船と違って事故時の救助もままならない乗り物です。

一度飛び立った飛行機は、着陸まで同じ荷物と乗客を乗せて飛び続ける必要があるので、機内の安全にはほかの乗り物よりも神経質になります。

このこと自体は、一般乗客からすると歓迎すべきなのですが、こと荷物の搬入にあたっては、時折不便を強いられることがあります。

さて、飛行機搭乗時にモノを持ち込む場合、どのような方法があるのでしょうか?

一つ目は航空会社のカウンターで預ける方法、二つ目は直接客室内へ持ち込む方法がありますね。

まずは用語についておさらいしましょう。正しい用語の定義は次の通りです。

  • 預け手荷物:保安検査の前に航空会社のカウンターで預けるもの。
  • 機内持ち込み手荷物:機内まで持ち込むもの。

機内持込・お預け手荷物における危険物について
お客様が旅行の際お持ちになる手荷物は、大きく「機内持込み手荷物」と「お預け手荷物」の2種類に分類されます。
「機内持込み手荷物」とは、お客様が航空機内に直接お持ちになり、機内において身につけ、又は携帯する手荷物をいい、 「お預け手荷物」とは、搭乗前に航空会社のチェックインカウンターにお預けになるスーツケース等の手荷物をいいます。
航空法では爆発のおそれがあるもの、燃えやすいもの、その他人に危害を与え、または他の物件を損傷するおそれのあるものを「危険物」とし、航空機による輸送及び航空機内への持ち込みを禁止しています。そのような危険物の中には、一定の数量制限の下機内持込み手荷物かお預け手荷物として運べるものもあります。
また、刃物類等ハイジャック・テロに「凶器」として使用されるおそれがあるという観点から機内持込み手荷物として機内への持込みができないものもあります。
ここでは、機内に持ち込むことができるか、航空会社にお預けになる事ができるかどうかについて航空会社等に問い合わせの多い品目等について、代表的なものの取扱いを一覧表にして紹介します。ご旅行前に手荷物を準備される際、ご参考にしてください。
各空港におきましては、各航空会社が皆様に安心して航空機をご利用いただけるようご搭乗の前に保安検査を実施しておりますので、ご協力をお願いします。危険物をお持ちの場合は空港カウンターまたは保安検査場にて係員にお申し出ください。

航空会社ごとに基準の差はありますが、基本は航空法に基づいた物差しがあります。

飛行機に持ち込めないものの基準は、つまるところ次の2つの観点から成り立っていると解釈できるでしょう。

  1. 危険物
  2. 凶器

つまり、人や機体に損傷を与えうるようなものは禁止なのです。

迷ったら、航空会社のカウンターで聞くのもいいですが、空港では捨てるか家に送るかの選択しかできないので、個別の品目については国土交通省へと事前確認するのが望ましいでしょう。

 【一般的な基準について】
表のうち、[1]化粧品欄から[9]その他日用品に関しては
国土交通省航空局安全部運航安全課
TEL 03-5253-8111(内線50124)

[10]刀剣類から[20]その他に関しては
国土交通省航空局安全部安全企画課航空保安対策室
TEL 03-5253-8111(内線48186)

仕分けに注意が必要な品目について

ここからが本題です。

繰り返しとなりますが、飛行機へものを持ち込む場合、細かいルールが適用されます。

航空会社ごとに微妙なルールの差があったり、突然規則が変わることもしばしばなので、旅慣れていてもややこしいことこの上ないです。

そこで本項では、次の3種類に分けて解説します。

  1. 知らずに手荷物として預けたら罰金の対象となるようなもの。
  2. 機内持ち込み時に保安検査場で引っかかると没収されるもの。
  3. 機内持ち込みだろうと預け手荷物だろうと問答無用でお断りとなるもの。

気を付ける点として、預けるべきものと預けてはいけないものがあります。

品目ごとの詳しい情報は、政府広報オンラインを参考にしました。

カウンターで預け手荷物にできないもの

飛行機に乗る前、手荷物をわざわざ預けるのには理由があります。

  1. 搭乗前の時間を身軽に過ごすため。
  2. 保安検査をスムーズに抜けるため。
  3. 客室内へと持ち込む手荷物の量が制限されていることがあるため。
  4. 客室内へと持ち込みできないものがあるため。

逆にこれらの事情がなければ、預け手荷物は作らないほうがいいです。

その理由については、別記事で説明しています。

ここでは「預け手荷物にできないもの」について触れます。

次のアイテムについては飛行機内へと持ち込みましょう。

火をつけるためのもの

マッチやライターなど、着火剤のことです。

後述する可燃物や燃料などとは違い、少量なら機内へ持ち込めます。

ただし、飛行機内は基本的に禁煙なので、あくまでも空港内での使用にとどめる必要があります。

お気に入りのジッポライターなどを、誤って預けてしまうと、最悪破棄されかねないので、愛煙家の方々は注意が必要です。

  • ライター(1人1個まで)
  • マッチ(小型のもの1人1個まで)

リチウム金属バッテリー、イオン電池

リチウム金属バッテリーと表現すると、なんだかなじみがなさそうですが、要するにモバイルバッテリーのことです。

他にも携帯電話やノートパソコンのバッテリーに使われているのですが、実はこのバッテリー、高温などの条件で爆発することがあり、けっこう危険な代物なのです。

特に、近年航空機内での爆発事故が相次いだことから、カーゴルームへとモバイルバッテリーを積むことができなくなりました。

チェックインカウンターで「モバイルバッテリーは入っていませんか?」と聞かれることも増えてきましたよね。

ノートパソコンなどは、完全に電源オフにすれば預けられるそうですが、貴重品という観点からも、バッテリーを積んだ電子機器やバッテリーそのものは、機内へと持ち込むのが無難です。

なお、機内でのモバイルバッテリーの使用はNGですのでご注意ください。

  • モバイルバッテリー
  • 電源をオフにしていないノートパソコン等

 

機内持ち込みができないもの

ここから先は、先ほどとは逆に「飛行機の客室内へ持ち込めないもの」についてです。

国や空港にもよりますが、保安検査場でひっかかると、だいたい没収されます。

幸い、見分け方はシンプルなので、想像力を働かせれば難なく区別できるでしょう。

客室内へ持ち込めないものは、主に次の2種類です。

  1. 液体
  2. 武器、凶器

それでは、具体的に解説しましょう。

100mlを超える液体(チューブに入った半液体含む)

2006年に起きた、アメリカに対する自爆テロ以降、機内への液体の搬入は非常に厳しくなりました。

液体イコール爆発物と思われるといっても過言ではないでしょう。保安検査場も、液体の扱いに関してはピリピリしています。

液体とみなされる範囲も幅広く、次のようなものも搬入禁止です。

みそ、缶詰・びん詰め、漬け物、ヨーグルト、ゼリー、スプレー・エアゾール、シャンプー・リンス・液体ソープ、歯磨き

液体を飛行機で運びたい場合、2種類の方法があります。

  1. 航空会社のカウンターで預け手荷物にする。
  2. 100mlを超えない範囲で、透明のジップロックなどに入れて持ち込む。

とにかく、100mlを超える液体は必ず保安検査場で没収されます。行き帰り問わずです。

  • 歯磨き粉
  • シャンプー等
  • 化粧水、乳液等

液体に関しては幅広いので、別記事で具体例について触れます。

  • 関連記事:作成中

武器、凶器

武器や凶器は、機内の安全確保のため、搬入が禁止されています。

隣の人が突然刃物やこん棒で襲い掛かってきたらたまらないですよね。

そういうわけで、武器や凶器になりうるものは、非常に幅広いです。液体類よりもアイテム数が多いと思います。

中には「こんなものより素手のほうがマシでしょう?」といいたくなるものもありますが、決まりは決まりなので、くれぐれも保安検査で食って掛からないようにしましょう。彼ら職員も仕事なのです。

以下、数多の禁止品目のうち、現実的に持ち込む可能性の高いものを抜粋しました。

  • 刃物全般(ハサミ、カッター、ソムリエナイフ等の小型刃物含む)
  • 銃、エアガン
  • 警棒
  • メリケンサック
  • ゴルフクラブ
  • バット
  • テニスラケット
  • 竹刀、木刀
  • 釣り竿
  • 釣り針
  • ビリヤードのキュー
  • スキー板
  • スノーボード
  • スキーストック
  • 工具類全般
  • 先のとがったかんざし
  • 缶切り
  • 爪切り
  • ピンセット

刀剣類などのあからさまな武器類はもってのほかですが、ゴルフクラブやスキーグッズなど、レクリエーション用具は盲点となりがちです。

また、スポーツに使うような長物は預けたほうが無難です。

傘や缶切り、爪切りなど身の回りの物も凶器とみなされることがあるので注意が必要です。

保安検査場の列に並びなおすのは、相当気力をそがれます。

余計なものを持って保安検査に臨まないほうがいいでしょう。

ニッケル水素バッテリー

個人的にはものすごく紛らわしく感じましたが、ニッケル水素バッテリーは機内持ち込みができません。

リチウムイオン電池とは真逆の規定です。

正確に把握している人、どれだけいるのでしょうか?

とはいえ、現在使われているバッテリーと名がつくものは、リチウムイオン電池が主流です。

あまり神経質にならず、迷ったら航空会社のカウンターで聞いてみるのもいいですね。

  • 充電池など

機内持ち込み、預け手荷物ともに搬入できないもの

これより先に書くものは、とにかく飛行機に乗せることができません。

理由は単純、載せるだけで危ないからです。

一般人が持ち運ばないようなものもありますが、思わぬアイテムが該当することもありますので、搭乗前にはもう一度確認しましょう。

燃えるものと爆発するもの

序盤で述べましたが、機体と人体に損傷を与えうるものは、そもそも飛行機に積めません。

可燃物、爆発物はそのいずれにも該当するため、完全にアウトです。

荷物室で眠っていようがダメです。

いつ、なんの拍子で外壁に穴が開くかわからない代物を、ホイホイ積ませるわけがありません。

自分の身の安全のためにも、火薬やガスの搬入は自粛しましょう。

身の回りにある可燃物・爆発物の一例は次のようなものです。

  • ライター用補充ガス
  • カセットボンベ
  • キャンプ用ガス(キャンプに行く人要注意)
  • スプレー缶
  • オイルライター用燃料
  • 花火
  • クラッカー
  • 徳用マッチ

酸化させたり腐食させるもの

爆発物ほどのインパクトはありませんが、飛行機に風穴を開ける力を持っているところは同じです。

一般人が酸そのものを持ち歩くことはめったにありませんが、腐食性物質を利用した日用品は、存外多いので注意しましょう。

  • 小型酸素発生機(登山用など)
  • 漂白剤
  • 瞬間冷却材(叩いて割ると冷えるアレのこと)
  • 車両用バッテリー

有害物質、毒物

これまた一般人には縁遠いのですが、飛行機に毒を持ち込むのはよしましょう。

あまり語ることはありませんが、念のため。

  • 放射能発生物質
  • 有毒ガス

違法物品

書く必要もないかと思いますが、やっぱり念のため。

麻薬や銃砲など、あきらかに違法なものは持ち込まないようにしましょう。

というより、そもそも持ってちゃダメです。

海外では合法な薬物が日本では違法、わいせつ物の搬入が禁止されている国があるなど、お国によってルールが異なる場合があるので、強いていうなら、渡航先の国についてよく勉強しましょう、といったところでしょうか。

長くなったので最後におさらい。持ち込むと飛行機と搭乗者が危険になるか?がポイント

かなり長くなったので、最後にもう一度おさらいしましょう。

まず、飛行機に持ち込めないものは次の3種類に分かれます。

  1. 知らずに手荷物として預けたら罰金の対象となるようなもの。
  2. 機内持ち込み時に保安検査場で引っかかると没収されるもの。
  3. 機内持ち込みだろうと預け手荷物だろうと問答無用でお断りとなるもの。

そのうえで、それぞれの代表品目は次の通りです。

■預けられないもの

  • モバイルバッテリー
  • ノートPC

■持ち込めないもの

  • 100mlを超える液体
  • 武器、凶器

■とにかくお断りなもの

  • 可燃物
  • 爆発物
  • 毒物
  • 酸、腐食性物質

すべてのアイテムを覚えることは、現実的に不可能なので、指標として覚えることが望ましいです。

「これを持ち込んだり預けたりすると、飛行機に損傷をあたえたり、人体を傷つけないか?」

迷ったら自問自答するように意識づけると、保安検査をスムーズに抜けることができるはずですよ。

空港でのふるまい方全般について、まとめ記事を作りましたので、そちらもぜひ参考にしてください。

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