デルタ航空の上級会員資格をもって、同社航空便を利用すると、一定確率でビジネスクラスにアップグレードされるという噂があったので試してみました。
私の個人的な体験によると、この噂は誠でありました。
何をどうしたということはありませんでしたが、デルタAMEXゴールドカードを持ってデルタ航空に乗った以外、特別なことはしていませんので、これしか原因はないと思います。
もちろん、必ずアップグレードされるような、虫のいい話はありませんが。
関連記事:作ってたくさん使うだけでゴールドメダリオン。デルタスカイマイルAMEXゴールドカードを持つメリットについて。
目次
実際、デルタ航空の上級会員資格を持って搭乗すると座席がアップグレードされることがあった
インボラアップグレードとは?
ズバリ【involuntary upgrade】の略です。
対義語に【voluntary upgrade】があります。
こちらは何らかの航空会社都合で、搭乗客を便に乗せることができなくなった場合、上位クラスへのアップグレード等を条件に、乗客を違う便に乗せることを言います。
搭乗客側からみて、【自発的に】条件を飲むことから、【voluntary upgrade】と呼ぶそうです。
さて、インボラとはこれとは逆に、【頼んでもいないのにアップグレードされること】を言います。
頼んでもいないというと語弊がありますが、これは航空会社のオーバーブッキングが主因とされており、次のようなメカニズムで発生するそうです。
- 航空券の販売会社がチケットを販売する
- 順当に席が埋まる
- 席が埋まりきった後も、余分に席が販売されることがある(あるいはキャンセル枠が出ることを想定して意図的に販売している?)
- オーバーブッキングがおこり、エコノミークラスの席が足りなくなる
- ビジネスクラスが空いている場合、エコノミークラスを押さえている搭乗客をビジネスクラスに振り替えて、エコノミークラスの空きを作ってしまう
あくまでも聞きかじった情報なので、アップグレードが発生する裏側についてはわかりかねます。
重要なことは、現にデルタ航空でのフライトで、勝手にビジネスクラス利用にアップグレードされた経験があるということです。
※2018/7/16現在、延べ2回の搭乗中2回アップグレードされました。
ビジネスクラスにアップグレードされると10万円単位のメリットがある
ビジネスクラスのメリットは、次のような特典を集約したものです。
- チェックインカウンターが専用になる。
- 専用保安検査レーンを通過できる。
- 航空会社専用のサービスが充実したラウンジを利用できる。
- 搭乗の際に優先搭乗できる。
- 専用の機内食と飲み物が提供される。
- シートピッチが広く、フルフラットになる座席もある。
- 預け荷物が到着空港で優先的に出てくる。
個人的には、特に【1 2 3 6】の利用価値が大きいと感じます。
総じて、空港や機内での疲労を軽減できるため、到着時から元気に観光を始めることができます。
機内泊の条件が、ホテルとほぼ同等となるため、1泊分のホテル代が浮くと考えることもできるでしょう。
まともに購入すると、下の通り非常にお高いです。
参考:航空券予約 サプライス
上海路線が撤退となるため【成田⇔シンガポール】で試算しました。
上からエコノミー、プレミアムエコノミー、ビジネスの順ですが、プレミアムエコノミーからビジネスへの差が常軌を逸しています。
ツアー等を利用すれば、もう少しお得に取得できるのでしょうが、上の検索結果だけ見ると、差額20万円です。
上級会員資格を保有しているとアップグレードされやすい?相関関係はあると思う
私は搭乗時、デルタ航空の上級会員資格である「ゴールドメダリオン」を保持していました。
もっとも私は、正攻法で上級会員になったわけでなく、有料ゴールドカードの特典を利用しただけでした。
関連記事:作ってたくさん使うだけでゴールドメダリオンを維持できる。デルタAMEXゴールドカードを持つメリットについて。
私は航空会社側の人間ではないため、不確かことしか言えませんが、ゴールドメダリオンとアップグレードの間に、相関があると思っています。
これは、航空会社側の心理を汲んでみると自然なことで、せっかくアップグレードさせるのであれば、通常会員や非会員よりは、上級会員を優先して当然だということです。
また、デルタ航空では、上級会員用に、プレミアムエコノミー(Delta Comfort+)への無償アップグレードというシステムがあります。
エコノミーからビジネスへの2階級特進よりは、プレミアムエコノミーの乗客をビジネスへとアップグレードさせるほうが、話の流れとしては自然かと思います。
外資系らしく、デルタ航空は上級会員を非常に大事にするようです。
公式でも、上級会員を優先的にアップグレードさせるとうたっており、半ば正式なサービス内容であるかのように扱われています。
アップグレードの優先条件について:
- アップグレード確定の優先順位では、メダリオン会員資格が最重視され、ダイヤモンド メダリオン会員、プラチナ会員、ゴールド会員、シルバー会員の順に優先されます。
(中略)
ゲートでのアップグレード:
アップグレードご利用可能期間内にアップグレードの空席がない場合、無償アップグレードは必ずしも事前確定されるとは限りません。事前に確定されない場合でも、ゲートにて確定される場合があります。お客様がチェックインされたときにアップグレードがまだ確定していない場合、保留中のお申し込みは空港でのキャンセル待ち(スタンバイ)リストに自動的に追加され、ご搭乗前にゲートにてアップグレードが確定する可能性があります。お客様の空席待ちの状況は、チェックイン時に「旅程」ページまたは「Fly Delta アプリ」で、あるいは空港のゲートインフォメーションスクリーンでご確認いただけます。
デルタ航空では、各フライトの出発前のゲートにおけるアップグレード確定のポリシーを改定し、より多くのメダリオン会員のお客様にご希望のアップグレードをご利用いただけるようにいたしました。現在、ゲートでのアップグレードの確定を従来より10分早く開始し、ご搭乗前により多くのアップグレードを確定できるようにしております。また、アップグレードリストの一番上にお名前があるメダリオン会員のお客様が、アップグレードがご利用可能になった時点ですでにご搭乗済みの場合は、ゲート係員と客室乗務員が連携して、離陸前にアップグレードのお座席にお移りいただけるよう最大限の努力をいたします(対応可能な場合)。
デルタ航空の上級会員になるにはクレジットカード発行がもっとも早い
航空会社の上級会員になるには、それぞれのエアラインの常連になるのが王道です。
ただし、日本からの就航路線が少ない現在は、デルタ航空に何度も乗って…という正攻法が難しいです。
よって、デルタAMEXゴールドカードの発行一択でしょう。
年会費(税込み28,080円)がかかりますが、運よくアップグレードとなれば、カードの維持費がお釣り付きで帰ってきます。
デルタAMEXカードの詳細スペックについては、別記事で紹介します。
関連記事:作ってたくさん使うだけでゴールドメダリオン。デルタスカイマイルAMEXゴールドカードを持つメリットについて。
余談ですが、年間回数限定で、デルタ航空搭乗時にラウンジのみ利用できるという、珍しいクレジットカードもあります。
荷物が少ないのでカウンターは利用しないし、優先搭乗や機内でのあいさつも必要ない、という方には、ラウンジカードとして運用できるカードがいいかもしれません。
普通、4万円でプラチナカードは持てないのもポイントですね。
参考:デルタ スカイマイル TRUST CLUB プラチナVISAカード
デルタ航空の日本関連路線について
現在デルタ航空は、成田空港を中心として、上海、マニラ、ホノルル、シンガポール、そしてアメリカ本土各地を結んでいます。
このうち、上海は2018/7/18をもって撤退となりますので、実質的な行先としては、次が候補となります。
- マニラ
- ホノルル
- シンガポール
- アメリカ本土
本拠地がアメリカとはいえ、少し寂しい気もしますね。
上海をハブとした場合、更に行先が広がるのですが。
※2019/8/20追記、2020年春より、成田発着のデルタ航空路線は、すべて羽田空港へと移管されます。
関連記事:【2020年3月】デルタ航空発着便が羽田へ移管予定。せっかくなので、エコノミークラスでデルタ航空のラウンジを利用する方法を解説します。
ビジネスクラスへとアップグレードされたときの条件
これまでにビジネスクラスへとインボラアップグレードされたときの、詳しい経緯を記録しました。
実際のインボラアップグレードは、どのようにして起こるのでしょうか?
2017/10/13 成田⇒浦東
旅行条件
- 座席:エコノミークラス
- 人数:1名
- 会員資格:デルタ航空ゴールドメダリオン
- 確定時期:航空会社のカウンターでチェックイン時にアップグレード
詳しい経緯
成田空港から上海浦東空港へとデルタ航空便を利用したときです。
私はこの夏にデルタAMEXゴールドカードというクレジットカードを作成しており、入会キャンペーンの条件を満たすため、デルタ航空を利用することにしました。
このカード、前述の通り、一度もデルタ航空を利用しなくてもデルタ航空の上級会員資格が付与されるという、世界的に見ても希少なカードです。
デルタ航空は上級会員を非常に厚遇しています。
ゴールドメダリオン以上の会員に対しては、出発の72時間前までに空きがある場合、Delta Comfort+という、普通のエコノミー以上の席を無償で提供してくれます。
このことから、出発前よりアップグレードが確約されておりましたが、成田空港到着前後にデルタ航空アプリを開いてみると異変がありました。
自分の選択していた席が引き当てを外されており、代わりに大きく前方のビジネスクラスのシートが割り当てられていたのです。
これはもしや?と期待しながらチェックインカウンターで手続きを終えると、やはりビジネスクラスにアップグレードされていました。
まさか、人生初のビジネスクラス搭乗が、インボラアップグレードによるものとは思いもしませんでした。
2017/10/16 浦東⇒成田
旅行条件
- 座席:エコノミークラス
- 人数:1名
- 会員資格:デルタ航空ゴールドメダリオン
- 確定時期:機体搭乗前に自動改札でエラーが発生してアップグレード
詳しい経緯
座席位置「6A」と、前方のビジネスクラスのシートに変更されています。
このメールが配信された時点で半信半疑でしたが、実際に搭乗口で券を読み込ませると、予想通りエラーが発生。搭乗口横に案内されました。
近くには、他にも搭乗券が弾かれた面々がそろって待機していました。聞き耳を立ててみると、ほとんど日本人のようです。上級会員というフレーズも聞こえてきました。
それもそのはず、元来デルタ航空はアジア方面の就航路線が少ないです。
【上海⇔成田】路線を使うような人々だと、普通はデルタ航空を選択する余地があまりありあません。
そして、デルタ航空に一度も乗らなくても上級会員になれるようなシステムは、日本発行のデルタAMEXゴールドカードを発行する以外、聞いたことがありません。
アップグレードが確定したときは、目が点になったようでした。往復で数十万得したことになるため、今回の旅行だけでクレジットカードの年会費がかすむほどの特典を手にしたわけですから。
プラス30,000円弱ではビジネスクラスのチケット、買えませんよね。
結論、デルタ航空でエコノミークラスを利用するとアップグレードされることがある
デルタ航空では、エコノミークラス利用時にインボラアップグレードされることがある、というお話でした。
また、アップグレードとデルタ航空の会員資格との間には、因果関係はないにしても、相関があるようです。
今度の旅行には、デルタ航空を利用してみるのはいかがでしょうか?