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貸株サービスの落とし穴。信託保全(分別管理)適用外は明らかにリスク。

投稿日:2020/08/19 更新日:

貸株サービスというものが気になっているけど、あまり聞いたことがない。

説明もよくわからないし、本当にリスクはないの?

そんな疑問について、筆者が直接証券会社に問い合わせた結果と所感について記事にしました。

証券会社が倒産しても財産は戻ってくる

証券会社に預けたお金や株式は、証券会社が倒産しても顧客に戻ってきます。

これが信託保全という仕組みであり、日本の証券会社は、顧客の財産を信託銀行という銀行に、分別管理することが義務付けられています。

法律上、証券会社はお客さんのお金に手を付けることができない、というわけですね。

ちなみに銀行にも、預金保険(ペイオフ)という似たような制度がありますが、こちらは1,000万円とその利子までしか保証してくれません。

混同しがちですが注意が必要です。

お金は戻るけど貸した株は帰ってこない!

さて、ここからが本題の貸株について。

信託保全は日本の法律によって保護されていますが、株を証券会社に貸すとなると、ガラリと話が変わってきます。

株の貸し借りは、あくまでも証券会社と顧客間の取引であるため、分別管理そのものが適用されないのです。

楽天証券の案内はこちら。

<株券貸借取引のリスク・留意点>
・リスクについて
貸株サービスの利用にあたり楽天証券株式会社(以下「楽天証券」といいます。)と貸出者(以下「お客様」といいます。)が締結する契約は「消費貸借契約」になります。株券等を貸し付けいただくにあたり、楽天証券よりお客様へ担保の提供はなされません(無担保取引)。従いまして、楽天証券に破綻等が生じた場合には、株券等が返還されないリスク及び貸借料、配当金相当額が支払われないリスクがあります。また、楽天証券がお客様に引き渡すべき株券等の引渡しが、履行期日又は両者が合意した日に行われない場合があります。この場合、「株券等貸借取引に関する基本契約書」に基づき遅延損害金をお客様にお支払いすることになりますが、履行期
日又は両者が合意した日に返還を受けていた場合に株主として得られる権利(株主優待、議決権等)は、お客様が取得できないことになります。
なお、貸し付けいただいた株券等は、証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する分別保管の対象とはならず、投資者保護基金による保護の対象とはなりません。

 

ええ、つまりのところですが。

  1. うち(楽天証券)はお宅(顧客)から株を借りるけど、担保はないよ。
  2. うちがつぶれたらお宅の株も返せないかもしれないけど、勘弁してね。

という、証券会社側に有利な貸借契約となっているようです。

これ、たとえば個人がレンタカーとか借りるときに言い出したら「アホか、お前!」と罵られそうな条件じゃないですか?

さすがにそんなことはないだろう…と思って、実際に楽天証券までメールを送ってみました。

以下、筆者が取引している楽天証券へと問い合わせた内容を掲載します。

---------- 以下、本文を引用します ----------

貸し株制度は信託保全の対象外でしょうか?
約款を熟読しましたが、どうしてもわからなかったため質問します
お忙しいところ恐縮ですがご回答お願いいたします。

対する回答がこちら。

平素より楽天証券をご愛顧賜りまして、誠にありがとうございます。
お問い合わせの件につきまして、ご案内申し上げます。

貸株サービスは、お客様と弊社「楽天証券」における貸借契約で
ございます。

弊社が破綻した場合等は、貸付けいただいた株券等は、
証券会社が自社の資産とお客様の資産を区別して管理する
分別保管の対象とはならず、投資者保護基金による保護の
対象とはなりません。

貸し出されていない株式につきましては、弊社の資産とお客様の
資産とを分けて保管する分別管理がおこなわれておりますので、
弊社が倒産した場合も、株式はお客様に返還されることとなります。

今後とも楽天証券をお引き立て賜りますようお願い申し上げます。

若干柔らかい文章で回答がきましたが、肝心の信託保全にかかわる部分は、案内同様です。

つまり、楽天証券に株を貸すと、金利をもらえる代わりに、楽天証券の倒産リスク等を抱えることになるのです。

貸株の金利はバカバカしいほど低いので無担保リスクを背負ってまでやる必要はないと思う

さて、ここまで調べてわかったことをもう一度おさらいしましょう。

  1. 証券会社がつぶれても、顧客の財産は原則戻ってくる。(信託保全)
  2. 貸株サービスは、あくまでも証券会社(今回は楽天)と顧客との直接契約であり、信託保全の対象外である。
  3. 証券会社が株の返還能力を失った場合、貸した株は戻ってこないかもしれない。

書いててバカバカしくなってきました。

もちろん、大手証券会社がそう易々と倒産するわけもなく、実際に倒れたとしても、最大限株を返そうと努力してくれるでしょう。企業とは規約がすべてではありません。

でも、ここまで証券会社にとって都合のいい契約なら、さぞかし金利もいいのでは?と思いきや、0.10%台がほとんど。

これ、年利ですよね?月利の間違いではないですよね??

ということで、私は貸株サービスを始めましたが、先日全部返してもらいました。

雀の涙にも満たない金利のために、大切な資産を、まるでコントロールできないリスクにさらすほどお人よしではありませんので。

100株20万円以上の株式を無保証で貸して、1か月に数円もらってうれしいですか?

消費者金融の金利が高いのは、ほぼ無担保でも借りられるからです。

貸株サービスの場合、証券会社の企業規模が担保とも言えますが、貸したものを返せないかもしれないと公言している割に、金利低すぎじゃないですか?

私としては、貸株サービスは利用に値しないと結論付けました。

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