想像してください。
あなたはどこにでもある外食チェーンの店員です。都内の人気店でもなく、知る人ぞ知るこだわりの店でもありません。
そこに一人の外国人がやってきました。何となく肩身の狭い感じで、しきりにメニューと店内を交互に見比べています。
さて、あなたならどうしますか?
目次
外国人なんてどんな国にもいる
冒頭で書いた通りですが、外国人のいる風景が、日本の中ではあまり珍しいものではなくなってきました。石を投げれば……もちろん、日本人にぶつかりますが、感覚的には100人いれば1人以上は外国人がいるようです。
でも、海外に出たら外国人はたくさんいます。韓国に行って中国人を見かけたり、ベトナムでフランス人を見かけたりすることもあります。もちろん、我々日本人も、現地の彼らにとっては外国人です。
日本の環境が特殊であるがゆえに、外国人が珍しかったこともありますが、世界中を見渡して、まったく外国人を受け入れない国のほうが珍しいと思います。
今回は、我々が旅先で異邦人となったときの、特にお店で食事を摂るときの振る舞いについて考えてみましょう。
外国人らしくオーダーしよう
私個人としては、外国に出たら、外国人らしい振る舞いをすべきだと思います。卑屈になる必要はありませんが、世の中人種差別主義者のほうが少ないです。
観光旅行で嫌われるのは、一にも二にも傲慢な旅行者です。異国に自分の故郷の常識を持ち込むべきではありません。異邦人は異邦人らしく、素直に「わからないから助けてほしい」とふるまうことで、かえって旅行先で感心を得ることができます。
オーダーするときには店員さんの目を見ましょう。できれば笑顔で注文しましょう。思った通りの食事がでないからと、むやみに腹を立てるのはよしましょう。
心得はたくさんありますが、精神論だけでも仕方がないので、食堂での実践的なオーダー方法を述べることにします。
メニューの写真を指差しする
これは基本中の基本です。
なんといっても、メニューがイメージしやすいですし、写真付きのメニューを設けている時点で、外国人が潜在的なターゲットに含まれています。
自国民だけに商売をするのであれば、メニュー名だけで通じますよね。
このように、写真付きのメニューがあるお店では遠慮なく写真をつついて注文してしまいましょう。お店の人も楽ちんです。
看板のおススメ表示を指差しする
お店によっては、いわゆる看板メニューを掲げているケースがあります。
こんな感じで看板があれば、誰でもおススメメニューがわかりますよね。
どのみち食べなれないメニューなので、どれを頼んでも新鮮な体験ができます。ここは遠慮なく、お店側のおススメにどっぷり乗っかってしまいましょう。
経験上、おススメを選んで変な料理が出てきた試しはありません。
国民食の発音だけ覚えて注文する
たとえば、フォー、ガパオ、トムヤンクン、チャオファン。
どれも一通りは聞いたことがありますよね。
言語を体系立ててマスターするのは困難ですが、メニューの名前くらいなら、よく見聞きするものから覚えてしまうのではないでしょうか?ましてや英語の料理名であれば、日本でもなじみが深いです。
有名どころの料理であれば、旅行者がよく頼むでしょうから、店員さんも察してくれるはずです。
食堂に来ている時点で要求の半分は伝わっている
とにかくこれが食べたいんだ!という情熱さえあれば、相手の顔を見てはっきり伝えれば、普通に伝わります。なぜなら、あなたが食堂に来ている時点で、おなかが空いてるのだ、という意図は見え見えだからです。
あまり意識はしませんが、言葉は文脈とセットで使われるものです。朝も早い時間から「おやすみなさい」と言われても、普通の感性の持ち主ならば、必ず聞き返されます。
逆に、食事を提供するお店では、「これください」の一言が待ち構えられています。下手に気取った方法を使うより、単純に「これ食べたい」という意思を示してみましょう。
思いのほかあっさりと、美味しい料理にありつけたりしますよ。
旅先で困っていると誰かが助けてくれる
私はリアリストの部類に入りますが、旅先で軽く困っていると、誰かが助けてくれることが多いと思っています。助けてもらったら、笑顔で「ありがとう」と言いましょう。現地の言葉で言えるとなおよいです。
基本的に人類同士は、助け合うようにできているからこそ、世界中で文明を築くことができました。
冒頭で質問を投げかけましたが、私は困っている人がいれば助けるほうだと思います。困っている人を助けるって、気持ちよくありませんか?
特に外国人であれば、私が海外で困っていたとき、見知らぬ人々に助けられた経験がよみがえり、声をかけずにはいられません。
旅に出たら、誰かに助けてもらってください。そのうちあなたも、困っている人を見過ごせなくなるはずです。
なお、英語の通じる国なら、思う存分英語でコミュニケーションを推奨します。