2019年2月末に、オーダースーツの麻布テーラーを利用した記録をまとめました。
私の作ったジャケットの値段や、オーダーの流れ、オプション、ディテールなどをまとめてあります。
麻布テーラーに興味がある方はもちろんのこと、スーツをオーダーしたことのない方も、ぜひご覧になってください。
目次
麻布テーラーでオーダースーツ!
麻布テーラーで、実際にスーツをオーダーした際の情報を、項目ごとにまとめました。
オーダー日付と注文明細
製作期間
2019/2/27 ⇒ 2019/4/12 (約1か月半)
注文明細(税抜)
- ジャケット単品(ウール100%):25,000円
- メタルボタン:3,500円
- 背裏キュプラ:2,500円
- 袖裏キュプラ:無料
- パッチポケット:無料
- フックベント:無料
- 襟、ラペルステッチ:無料
- 肩パッド抜き:無料
- 総毛芯:無料
合計:31,000円+税
パターン(型紙)
麻布テーラーのパターンは、次の3つから選べます。
CLASSICO ITALIA
高めのゴージラインが特徴で、質実剛健な印象です。
今回、こちらのモデルで注文しました。
CONTINENTAL
CLASSICO ITALIAよりも、全体的に落ち着いた印象になります。
場所を選ばず使えそうです。
ビジネススーツにちょうどいいでしょう。
JET CRUISE
上の2つと、かなり印象が変わり、店員さんの言葉を借りると、若干モード寄りになります。
ラペルが細めで、鋭角に切れ込んでいるのが特徴です。
肩パッドも薄いものを利用しているようなので、カジュアルジャケットとして仕立てるのがよいでしょう。
麻布テーラーで作るスーツのスペック
オーダー料金(税抜)
スーツ1着40,000円からです。
残念ながら、2019年2月より値上げとなりましたが、中身を考慮すると、これでも安すぎるくらいです。
- スーツ上下:40,000円~
- ジャケット:25,000円~
- ベスト:生地の料金+3割増し程度
- スラックス:15,000円~
スーツは、最低価格40,000円からですが、基本的にウール100%です。
インポート生地は60,000円からですが、オーダースーツの例にもれず、青天井です。
セットアップで10万円以上の生地も、平気で置いてあります。
反物は置いていないようです。代わりに、バンチブックと、展示品を見て判断します。
ジャケット単体用の生地だと、フランネル素材や、綿、麻、シルク(混紡)、モヘアなど、何でもござれです。
傾向的に、ジャケット用の生地は、スーツ用よりも若干お高めです。
オプション料金(税抜)
よく利用されるであろうオプションについて、参考価格をお伝えします。
- 背裏キュプラ:2,500円
- 水牛ボタン:3,500円
- メタルボタン:3,500円
- ナットボタン:2,500円
- 本切羽:3,000円
- パッチポケット:無料
- チェンジポケット:無料
- ハーフ毛芯:無料(※)
- 総毛芯:無料(※)
- お台場仕立て:4,000円(※※)
ほぼ平均並みです。
ボタンが相場よりやや高いかな?といった印象ですが、その分、裏地のアップグレードが安いです。
後述しますが、背面だけでなく、袖裏までキュプラになる点を考慮すると、値段以上と言えます。
※メールで問い合わせたところ【JET CRUISE】のみ、軽量化のためハーフ毛芯で、それ以外は裾まで毛芯とのことです。
「製作工程で、一部、接着芯を併用していますが、接着芯というわけではありません」との回答です。
※※若干記憶があいまいですので、次に仕立てるときに聞いてみます。
ディテールはかなりこだわることができる
実際に、麻布テーラーでスーツをオーダーして、感じたことですが、ディテールへのこだわりがすさまじいです。
書けば書くほど、枚挙にいとまがありませんが、以下にその一端を紹介します。
麻布テーラーの袖裏地は、無条件キュプラ!
普通、オーダースーツの裏地はポリエステルであり、麻布テーラーも例外ではありません。
しかし、袖裏の滑りにはこだわっているとのことで、袖裏地のみ、なんと追加料金なしでキュプラを使ってくれます。
他社は、追加料金を払って、裏地をキュプラにしても、腕はポリエステルであることが多いです。
このため、夏場などは袖回り、特に脇のあたりが蒸れます。冬場は静電気がたまりやすくなります。
これまでの経験上、袖裏までキュプラにしようとすると、上位モデルにしなくてはならないか、一定の金額以上のオーダー(10万円前後が多いです)が必要だったりします。
店員さんいわく、「袖を通す時、滑らかに通らないジャケットは着る気にならないですよね」とのこと。かっこいいです。
モデルを問わず、毛芯仕立て!!
オーダーした後、芯地について、どうしても気になったので、公式ページの「お問い合わせ」から、メールで質問してみました。
夜にフォームを送信したのですが、翌午前中には回答があり、非常に詳しい製法まで解説してくれたので、非常に好感がもてました。
要約すると、一部、形態安定のために、接着心を使用するとのことでしたが、仕立て自体は毛芯とのことです。
接着芯ではありません、と断言してもらえました。
それも、半毛芯ではなく、裾まで毛芯との回答なので、つまりは、総毛芯ということでしょうか?(カジュアル仕様の型紙のみ半毛芯です)
他社だと、上位モデルのみ総毛芯となる傾向がある中(だいたい10万円前後のモデルが多いです)、この値段で、総毛芯は圧巻です。
無料オプションが充実している
麻布テーラーは、パターンオーダーをうたっていますが、形態的にはイージーオーダーと同等です。
中でも、ディテールへのこだわりようが半端なく、相当細かい注文にも対応してくれます。
私が聞いた限りだと、次のような例があります。
- 肩パッドや芯地、裏地まで全部抜いて、完全アンコン仕様にできる。(限度はあると思われる)
- パッチポケットが無料。更に、パッチポケットにフラップまでつけられる。胸ポケットもパッチにして、ブレザー仕様にできる。
- センターベント、サイドベンツはもとより、フックベントも無料で対応可能。
- 襟やラペル周りのステッチが無料で入れられる。ラペルの端寄りに入れるか、中央寄りに入れるか、微調整可能。フルステッチは有料。
- 袖のボタンを2ボタンにして、間隔を開けて配置することもできる。
- 体形補正がこまやか。袖の太さ、長さはもちろん、両肩の角度まで調整してくれる。
ここに書いた以外にも、「それなんですか?」と聞いてしまうようなオプションが、目白押しです。
こだわりを詰め込める割には、無料で追加できるオプションが多いのも特徴です。
オーダー玄人であるほど、納得いくまでビスポークできるでしょう。
接客は良い
麻布テーラーの接客は、しっかり話し合って、細部まで決めたい人に、最適です。
店舗によりけりですが、バーカウンターのような、横長のカウンターと椅子があり、店員と向かい合って、じっくり会話ができます。
初めてスーツを作る人でも、ちゃんとリードしてもらえますので、よほど変なものができあがることはないでしょう。
グローバルスタイルなどと比べると、宣伝が少ないためか、混雑度が控えめです。
スーツについての質問にも、喜んで答えてくれます。
完成イメージがわかないものについては、店内に完成品に近いものがあれば、探してきてくれました。
店員さんがスーツ好きである傾向にあるためか、よく、私物をロッカーから持ってきてくれます。
あえて難点を挙げるのであれば、一人一人の接客に時間がかかるため、待ち時間が長めである点でしょうか。
これは、長所の裏返しでもありますので、甘受すべきでしょう。
なお、場所にもよりますが、平日の夕方以降は、比較的空いていることが多いようです。
オーダースーツ専門店全般に言えることですが、スーツを作りに行く前に、まずは店舗を訪れて、丁寧に接客してくれる店員さんを見つけた方がいいです。
事前に、名刺をもらって、訪問前に電話を入れておくと、スムーズです。
割引制度はない
基本的に、キャンペーンや割引は、ないようです。
その代わり、スーツ作成時にポイントカードをもらえます。
2,000円につき1ポイント貯まり、100ポイント貯まると、5,000円の割引券となります。
有効期限は、最終利用日を起点として、2年後までです。
こちらは、2019年から制度が新しくなり、ポイントの使い勝手がよくなった模様です。
アフターサービスは平均的
仕立て後、6ヶ月までは、サイズ調整が無料です。
そうは言っても、肩幅を広げるなど、物理的に不可能な補正もあります。
丁寧にフィッティングしてくれますので、そもそも、補正が出ないよう、入念に打ち合わせるといいでしょう。
レディーススーツのオーダーにも対応している
2019年3月現在、銀座six店でのみですが、女性用のオーダースーツにも対応しています。
常駐している女性スタッフが対応してくれるそうですが、もちろん、男性用スーツにも詳しいです。
型紙は1種類のみですが、男性用のパターンを流用することも、不可能ではないとのこと。
もちろん、女性用に最適化されたパターンがいいとは思いますが。
銀座six内ではなく、銀座six北東側の交差点から、道路を挟んだビル内にあります。
店舗
東京都内を中心に、全国主要都市に実店舗を展開しています。
麻布テーラーのジャケットを作ってみた感想
4/12にジャケットが完成したため、さっそくディテールを観察してみました。
生地自体に特筆すべき点はありませんが、一番下の値段からウール100%なので、安心感があります。
ラペルがきれいにカールしています。
これだけで好印象です。
肩パッドを抜いて、アンコン仕様にしてもらいました。
かなり軽いです。
ラペルと上衿には、標準でステッチが入っています。
丁寧な仕事です。
ブレザーがテーマということで、フックベントです。
キュプラの裏地が滑らかです。実際、キュプラと比べると、ポリエステルは、若干硬い感じがします。
写真だと見づらいですが、袖裏地はストライプで、クラシックな印象です。
横から見ると、袖が前傾して、シワができています。
ハンガーにかけたとき、まっすぐ下へと、袖が伸びているよりも、若干前よりのほうが、着心地がいいです。
まとめ:これまで他に使った4社の中では、麻布テーラーのスペックが最高
価格、接客、品質が、同価格帯のオーダースーツ店の中では、頭一つ抜けていると感じました。
特に、袖裏地の素材や、芯地にコストがかかっており、目立たない部分でも、丁寧な仕事をしているようです。
店員の知識が豊富で、接客も丁寧な傾向があるので、初めてのオーダースーツにもよいでしょう。
これまで、4社でスーツを仕立てましたが、現在のところ、麻布テーラーの費用対効果は最高です。
私なら、次のスーツも、麻布テーラーで作ります。
関連記事:【レビュー】オーダースーツ店グローバルスタイル(Global Style)での返金体験について。サイズが合わずに泣く泣く返品した結果。
アメリカンエキスプレスのカードを持っていると、入会から3か月間、偶然な破損を一定額まで保証してくれるので便利です。
特にスーツは使用頻度が高いと思います。