旅の知恵

日本人が行かないニッチな旅先について消去法で考えてみた。

投稿日:2018/07/14 更新日:

皆さんは、旅先をどうやって決めていますか?

よくある方法だと、検索してランキング上位に出てきた国から絞り込んで、名所やグルメ、予算などから選びますよね。

今回は、日本人がよく行く国と、逆にあまり行かない国から、旅先についてあれこれ考えてみました。

情報があふれている国に行き飽きたら、少しマイナーな旅先に飛び込んでみませんか?

目次

日本人がよく行く国について調べてみよう

まずは日本政府観光局のデータを見てみた

渡航先の統計と言えば、観光局関連でしょう。

ということで、まずは日本政府観光局のデータを紹介してみました。参照したページは次のリンク先です。

参考:日本政府観光局(JNTO) - 日本の観光統計データ

ただ、こちらのデータですが、【日本⇒海外】よりは、【海外⇒日本】への流入についてフォーカスされたものであり、肝心の日本人が好む渡航先についてはわかりませんでした。

ならば法務省のデータは?

法務省と言えば、在日外国人の在留管理や、入国関連の業務が管轄です。逆に、日本から海外への渡航も管理しているのでは?と期待し、データを検索してみました。

その結果がこちらです。

参考:法務省 - 第6表  年別  渡航先別  日本人出国者数

そうそう、これなんですよ、ほしかったのは……でも、古い。平成12年までのデータしかありません。今から18年前って、ワタクシ中学生でしたよ。

さすがにデータが昔すぎて、引用する気にはなれませんでした。

仕方がないので旅行関連サイトを探してみる

情報を発信する以上、できるだけ中立的かつ公的なサイトからの統計を拾うように心がけていますが、この際ぜいたくは言っておられません。

ここはひとつ、民間旅行会社の力も借りてみましょう。

探したところ、日本旅行業協会のホームページがヒットしました。

参考:日本旅行業協会(JATA) - 5.海外旅行者の旅行先トップ50(受入国統計)

個々の旅行サイトより、中立性が高そうです。データの鮮度も2010年代と比較的良好です。一旦は、このサイトを元データとして検証してみます。

しかし、旅行会社などは、日本人の人気渡航先とか、どのように選んでいるのでしょうね?統計ではなく、自社データでしょうか。

上の統計情報も、年毎更新していないところをみると、思った以上に使われていないのか、リサーチが大変かのどちらかでしょうね。現に、調べても素直にデータが出てこないくらいですから。

日本人のよく行く国について

トップ10考察

日本人が渡航先に選ぶ国について、リストからトップ10を抜粋しました。

訪問先2011年前年比(%)2012年前年比(%)2013年前年比(%)
1中国3,658,169-2.03,518,153-3.82,877,500-18.2
2韓国3,289,0518.83,518,7927.02,747,750-21.9
3米国3,249,569-4.03,698,07313.8
4台湾1,294,75819.91,432,31510.61,421,550-0.8
5香港1,283,687-2.51,254,602-2.31,057,033-15.7
6ハワイ州1,241,8050.21,465,65418.01,523,3023.9
7タイ1,127,89313.51,373,71621.81,537,97912.0
8グアム824,005-7.8929,22912.8893,118-3.9
9シンガポール656,41724.1757,11615.3
10ドイツ642,5426.2734,47514.3

参考:日本旅行業協会(JATA) - 5.海外旅行者の旅行先トップ50(受入国統計)

パッと見た感想ですが、やはり近場が強いですね。

お隣中国と韓国がワンツーフィニッシュで、台湾が4位、香港も5位に入っています。

これらは大体日本から4時間圏内の距離です。

順番変わって、3位がアメリカ。6位にハワイ、8位にグアムが別集計となっているところを見ると、アメリカ本土も強いようですね。

こちらは、ビジネストリップも多そうですが。

ただし、離島と合わせて国家別となると、ぶっちぎりの1位に躍り出ます。

東南アジアからは、7位にタイ、9位にシンガポールがランクイン。

共に観光資源は豊富ですが、日本からの飛行時間が6時間を超すあたり、まとまった時間が必要ですね。

このあたりの要因が、ランキングに反映されているのではないかと思います。

10位は唯一ユーロ圏でランクインしたドイツです。

ヨーロッパ諸国は、やはり遠いこともあって、主に30位以降の登場となりますが、その中で10位以内は大健闘と言えます。

なお、この直後にフランスが控えていますが、本来、フランスは超観光大国です。

距離の問題は、休みの取りにくい日本人にとっては、高い壁ですね。

総評

やはり近場が強かったです。地続きで国外旅行ができる大陸文化と違い、どこへ行くにも飛行機が必要な日本ならではの結果かもしれません。

長距離旅行が必然となるため、心理的、時間的ハードルの大きさが、表からにじみ出ていました。

半面、日本自体が独特な成長を遂げた島国であることから、国外諸国のほとんどが新鮮に映るという点は、ある意味特権に近いものがあります。

消去法から考えるニッチな旅先

さて、ここまでだと、単なるおススメ旅行先の紹介で終わってしまうので、ここからは当サイトらしくニッチ旅について考えていきましょう。

下から10位を発表する

今度は逆に、ランキングを下から数えてみましょう。

41ペルー43,79443.156,52629.1
42ラオス37,83311.042,02611.1
43パラオ37,80028.939,3534.1
44モルジブ35,782-7.836,4381.8
45スロベニア35,321-12.741,39817.2
46ジンバブエ32,78476.318,032-45.0
47エジプト27,635-78.139,00841.2
48ノルウェー27,000-3.6
49ナイジェリア26,300-3.841,98859.7
50南アフリカ共和国26,284-4.734,41530.9

 

参考:日本旅行業協会(JATA) - 5.海外旅行者の旅行先トップ50(受入国統計)

中々にパンチの効いた面々が並んでいますね。

南アフリカ共和国にナイジェリア、ジンバブエと、アフリカ大陸の強さが際立ちます。

距離の問題もさることながら、文明的な距離感が大きく、心理的に抵抗のある方も多いでしょう。私としては、時間さえあれば行ってみたいのですが。

48位はノルウェーです。

サーモンが美味しいイメージがある以外、印象があまりありません。

遠すぎるゆえか、情報が入ってきても他人事としてスルーしてしまったようです。

北欧諸国は、いずれ鉄道で回ってみたいところですね。

47位はエジプトです。観光資源自体は世界レベルですが、いかんせん過酷な砂漠環境というイメージが先行してしまいます。普通の日本人にはハードルが高いでしょう。

45位のスロベニアに至っては、恥ずかしながら地図を見ないと位置がわかりませんでした。東欧諸国の名前を眺めていると、昔地理の授業が苦手だったことを思い出します。

43位はパラオ、44位はモルジブとビーチリゾートが続きました。

パラオはまだしも、モルジブはシンガポール乗り換えが必須で、首都のマレからリゾートホテルまでは、更に国内線を乗り継ぐことになります。

最低1週間は休みがないと、行って帰ってくるだけになりかねません。

順番入れ替えて、41位はペルーです。

南米系は30位以降に、ブラジルとメキシコが入っていますが、やはり距離の壁が大きすぎるようです。

余談ですが、私の同僚が「ペルー料理は世界一らしい」などと申しておりました。

本当かどうか問わず、そのようなことを聞いたら、行ってみたくもなりますね。

個人的には意外であったのが、42位のラオス。

ハノイやバンコクからセットで行けそうな位置にありますが、東南アジアの中では、日本からの直行便がない点が痛いですね。

逆手にとって、タイから入って、ラオスを経由してベトナムから帰る、などという日程も、旅情を掻き立てられますね。

移動がストレスにならない方向けです。

下から考えたときの総評

身もふたもない言い方ですが、やはり遠いと足を運びづらいです。直行便がない国も厳しいです。

これらの国を楽しむ場合、十分な休暇を携えていくか、直行便のある国からの移動を楽しむスタイルになりそうです。工夫次第では、限られた時間の中でも周遊旅行を組めたりしますので、発想次第では、非常に面白い旅を味わえるでしょう。

私としては、ランキング内で触れた、【タイ⇒ラオス⇒ベトナム】あたりの旅程を組んでみたいです。鉄道があればよいのですけどね。

現実的に行けるニッチ旅の目的地は?

さて、ランキングも楽しんだことですし、そろそろまとめに入りましょう。

休暇の限られたサラリーマンが、何とか週末プラスアルファで旅に出るとして、近場であるほうがもちろんよいです。

大変名残惜しいですが、この時点で、南北アメリカ大陸や、アフリカ大陸、乗り継ぎ率の高いユーロ圏は、候補から除外します。

次に、日本人のよく行く国も除外しましょう。

中国、韓国、台湾、香港は、ここで脱落です。ただ、中国は国土が異常に広く、街ごとに違った特色を見せてくれますので、一様に切り捨ててしまうのももったいないですね。

食事もおいしいですし、やはり、中国は単体でもニッチ旅を楽しめるかと思います。

ハワイは言わずもがな、グアムも除外します。

共に石を投げれば日本人に当たるレベルです。他に情報もあふれかえっていますし、当サイトの旅の方向性とは相性がよろしくないので、あしからず。

となると、行先はおのずと絞れてきます(絞りすぎな気もしますが)。

まずは東南アジア諸国

飛行時間こそ長いものの、直行便就航都市も多く、陸路経由での周遊旅行が容易です。

折角強力な日本のパスポートを持てるのですから、最大限に生かしましょう。

物価の安さも、限られた予算の週末トラベラーには嬉しいところですね。私も大好きです、東南アジア。

次点でインド

経済発展目覚ましく、IT関連の教養レベルが非常に高いです。

BRICsの中でも注目されています。英語もある程度通じるようですし、個人的にはインド料理なら主食にできるレベルです。

地図上の位置からは、モンゴルも面白そうです。

遊牧民の末裔が暮らしていますが、何があるのかさっぱりわかりません。日本人には友好的とのことですが。

何が待っているかわからないという点では、ロシアも候補に挙がります。

しかし、何度見ても国土が広すぎて、何が何だかよくわかりません。GoogleMapの情報もスカスカです。

話によると、そこら中をクマが闊歩しているとか。これ、行って何事もなく帰ってこられるのでしょうか?

アクセスとニッチ度のバランスを考えると、意外とマレーシアがおすすめ

やはり、中国か東南アジアの周遊旅行が、お手軽にニッチ旅を楽しめそうですね。

食事、宿泊費、交通費と、旅の支出のほとんどが安く抑えられます。

ニッチかつ、安く旅行するならタイやマレーシア、ベトナムなんていかがでしょう?

私は一時マレーシアばかり行っていましたが、長距離バスや電車のハードルが低く、旅人には優しかったです。

参考までに。

関連記事:東西が交わる世界遺産の街。古都マラッカのおススメ観光スポットまとめ。

関連記事:クアラルンプールからペナン島まで陸路での行き方。バスとフェリーで簡単にアクセスする方法。

関連記事:【マレーシア】ジョホールバルからシンガポールへとバスでの渡り方。陸路での国境越えは意外と簡単。

プッシュ通知で購読

-旅の知恵



Copyright© 知らないどこかを旅したい , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.