空港の保安検査は、出入国共に自動化ゲートの利用で一番早く終わります。
今回の記事で触れる自動化ゲートは、顔認証ゲートとは別物です。
自動化ゲートは、指紋認証システムを利用しており、事前登録が必要です。
顔認証ゲートは、文字通り、顔とパスポートの写真を照合するため、事前登録が不要です。
参考:顔認証ゲートの本格導入について(お知らせ) - 法務省
両者の違いを正確に把握して、うまく併用できると、出入国が快適になるでしょう。
※この記事は、2018年12月31日現在での公開情報を基にして作成されました。今後、制度の変更などが生じる可能性がありますので、ご留意ください。
※2019/7/26追記、日本を訪れる外国人は、これまで自動審査を利用することができませんでしたが、2019/7/24より順次、出国時に限り、顔認証ゲートを利用できるようになりました。
※2019/10/3追記、余談ですが、お隣韓国でも自動審査が開始しています。
関連記事:2019年7月無人審査開始!韓国出国時に自動化ゲートを使う方法。
目次
自動化ゲートを利用するメリット
冒頭で触れましたが、【自動化ゲート≠顔認証ゲート】です。
自動化ゲートも顔認証ゲートも、無人運営であることに違いありませんが、頻繁に海外旅行に出かける人でなければ、顔認証ゲートを利用することが、圧倒的に多いはずです。
顔認証ゲートは、事前登録が必要ないからです。
顔認証ゲートの圧倒的なお手軽さを横目に、自動化ゲートをおススメする理由は、顔認証ゲートの渋滞回避という点にに尽きます。
出入国管理場を抜ける3つの手段の中では、自動化ゲートが一番早い
自動化ゲートを利用した出入国審査は、現在、最も早く審査場を通過する手段です。
日本人(もしくは再入国許可資格の保持者)が、日本を出入国する際、次の3つの審査方法があります。
- 有人審査
- 顔認証ゲート
- 自動化ゲート
さて、日本人と、再入国される方々へ向けて、最初に結論を言います。
自動化ゲートを利用すれば、出入国審査場を、最も早く抜けることができます。
有人審査は最も遅い
駅の改札を想像するとわかりますが、昔ながらの有人改札よりも、自動改札のほうが圧倒的に早いです。
更に、外国人は全員有人審査へと並びます。
並ぶ人が多い上に、手続きにも時間がかかるので、有人審査は、最も遅いです。
日本人があえて並ぶ必要はありません。
理由があって、パスポートにスタンプを押してほしければ、他のゲートを通過した後に、制限区域側から、入管職員室へと声をかけましょう。
顔認証ゲートは、お手軽だけどライバルが多い
さて、次に無人審査について考えてみましょう。
無人審査は、顔認証ゲートと自動化ゲートの二通りですが、どちらが、より早く出入国を終えることができるのでしょうか?
私の経験上は、自動化ゲートのほうが早いと思います。
なぜなら、顔認証ゲートは、事前登録が不要であるため、日本人全員が列に並べるからです。
手続き自体は、自動化ゲートよりも早いかもしれませんが、列に並ぶ人が増えれば、当然トータルの所要時間は増えます。
よって、2位です。
自動化ゲートは、事前登録しておけば一番早い
私の結論は「自動化ゲート利用時、最も早く出入国審査場を抜けられる」です。
顔認証ゲートと自動化ゲート。両方利用しましたが、通過速度は、ほぼ同じです。
問題は、列に並ぶ人の数です。
繰り返しとなりますが、それぞれの入国管理場を、どのような人が利用できるか、まとめてみましょう。
- 有人審査:外国人、日本人(自動化ゲート登録済み)、日本人(自動化ゲート登録なし)
- 顔認証ゲート:日本人(自動化ゲート登録済み)、日本人(自動化ゲート登録なし)
- 自動化ゲート:日本人(自動化ゲート登録済み)
論理的に考えて、自動化ゲートの利用者は、3つの審査方法の中で、最も少ないです。
私がこれまで、何十回と自動化ゲートを利用
顔認証ゲートが、登録なしで使えるのに対して、自動化ゲートは事前登録が必要なため、利用率が低いのです。
顔認証ゲートに、大勢が殺到している中、自動化ゲートをスイスイ通り抜けるのは、快感でしかありません。
遅い便でも、終電に間に合うかもしれませんよ。
※2019/7/26追記、外国人はこれまで顔認証ゲートを利用することができませんでしたが、2019/7/24より順次、出国時に限り、顔認証ゲートを利用できるようになりました。
パスポートのページを節約できる
こちらは、頻繁に海外旅行を繰り返す人にとって、メリットです。
パスポートは、出入国の回数分だけ、ページにスタンプが押されていきますが、すべてのページがスタンプでいっぱいになると、手数料を払って更新する必要があります。
顔認証ゲートないし、自動化ゲートを利用すると、日本への出入国の回数分だけ、パスポートのページを節約できます。
先述しましたが、出張の都合などで、スタンプが必要な場合は、ゲートを抜けた後に、出入国管理事務所へと声をかけましょう。
出入国場で問答せずに済む
これは、人によっては大したメリットではないかもしれませんが、
職員との対話がおっくうだ、知らない人と話すのが苦痛だ、といった方には、よい選択だと思います。
最近は、小売り、外食産業などで、セルフレジが増えてきています。
世の中の流れをくむのであれば、無人審査がこれからの主流になるでしょう。
海外の空港ではある程度受け答えが必要なので、少しは勉強しておくと気が楽になります。
関連記事:海外空港の入国審査場でよくある質問。英語ができなくてもスムーズに終わらせるコツ。
日本居住の外国籍保持者でも使えるのは自動化ゲートのみである
これは、日本籍の方々にはピンとこないかもしれませんが、日本に住んでいる外国人の方にとっては、非常に大きな恩恵をもたらししてくれます。
1.顔認証ゲートの本格導入
入国管理局では,平成29年10月18日から,羽田空港の上陸審査場に顔認証ゲートを3台先行導入し,平成30年8月までに,羽田空港に加え,成田空港,中部空港,関西空港及び福岡空港の上陸審査場に本格導入しました。また,同年11月末までに当該5空港の出国審査場へ本格導入し,日本人の出国手続,帰国手続の両方で利用できるようにする予定です。
この引用文を見ると、用途が「日本人の出国手続き、帰国手続き」と、明確に限定されています。
つまり、日本に住む外国人は、顔認証ゲートを利用できません。
自動化ゲートは、日本に住む外国人にとって、現時点では、唯一の無人審査方法です。
※2019/7/26追記、外国人はこれまで顔認証ゲートを利用することができませんでしたが、2019/7/24より順次、出国時に限り、顔認証ゲートを利用できるようになりました。
自動化ゲートの使い方
自動化ゲートは、2018年12月31日現在、次の空港に設置されています。
自動化ゲートの設置場所
○ 成田空港…第1ターミナル・第2ターミナルの各出国審査場・上陸審査場(※成田空港の第3ターミナルには,自動化ゲートは設置されていません。)
○ 羽田空港…中央及び北の各出国審査場・上陸審査場内の入国管理局事務室
○ 中部空港…出国審査場・上陸審査場
○ 関西空港…第1ターミナルビル・第2ターミナルビル(国際線)の各出国審査場・上陸審査場
空港側も、ない袖は振れないので、上の四つの空港以外では、おとなしく他の手段をとるしかありませんが、どこに自動化ゲートがあるか、記憶の片隅に入れておくと、役に立つかもしれません。
自動化ゲートの利用申請は、それぞれの空港で行えるからです。
そして、どこでもいいので登録を済ませておけば、すべての対象空港で利用できます。
自動化ゲートを使うには事前登録が必要
自動化ゲートの利用申請をできる場所
自動化ゲートの事前登録は、次の施設でできます。
自動化ゲート利用希望者登録の受付場所と時間
成田空港 案内図【PDF】
第1ターミナル出国審査場 受付時間 出国審査場開設中は常時可
第1ターミナル上陸審査場 受付時間 8時~17時
第1ターミナル中央ビル2階お客様ご案内センター隣 受付時間 8時~16時
第2ターミナル出国審査場 受付時間 出国審査場開設中は常時可
第2ターミナル上陸審査場 受付時間 8時~17時
第2ターミナル3階国際線出発ロビー北団体33番カウンター 受付時間 8時~16時羽田空港 案内図【PDF】
国際線旅客ターミナル3階出発ロビーAチェックインカウンターの隣 受付時間 8時~17時
上陸審査場内の入国管理局事務室 受付時間 8時~16時
各出国審査場 受付時間 出国審査場開設中は常時可中部空港 案内図【PDF】
出国審査場 受付時間 出国審査場開設中は常時可
3階チェックインAカウンター付近 受付時間 9時~16時(土・日・祝日,12月29日~1月3日を除く)関西空港 案内図【PDF】
第1ターミナルビル4階国際線出発ロビー(CIQ PRルーム内) 受付時間 8時~21時
第1ターミナルビル3階南北出国審査場 受付時間 出国審査場開設中は常時可
第1ターミナルビル2階南北上陸審査場 受付時間 8時~16時
第2ターミナルビル(国際線)自動化ゲート利用者登録室 受付時間 8時~16時
第2ターミナルビル(国際線)出入国審査場 出国審査場開設中は常時可東京入国管理局
2階再入国申請カウンター 受付時間 9時~16時(土・日・祝日,12月29日~1月3日を除く)名古屋入国管理局
2階自動化ゲート利用者登録カウンター 受付時間 9時~16時(土・日・祝日,12月29日~1月3日を除く)大阪入国管理局
3階審査管理部門(出入国担当窓口カウンター) 受付時間 9時~16時(土・日・祝日,12月29日~1月3日を除く)(※)利用者希望登録に時間を要する場合もありますので,登録を希望される方はお時間に余裕をもってお越しください。
引用が長いので、簡単にまとめると「自動化ゲートのある空港で登録ができます」ということです。
他にも、各地の入国管理局へと、事前に出向くという手がありますが、国内居住の外国籍の方以外には、ほとんどなじみのない施設なので、空港での申請がお手軽でしょう。
事前登録に必要なもの
自動化ゲートの事前登録には、次のものが必要です。
- パスポートもしくは再入国許可証
- 申請書
申請書は、法務省のホームページからダウンロードできますが、私の知る限り、羽田空港と成田空港(第3ターミナル除く)の、出入国管理事務所でも、もらえました。
念には念を、というあなたは、実際に電話して聞いてみるとよいでしょう。
〔自動化ゲートに関する問い合わせ先電話番号〕
○成田空港支局 … 審査管理部門(0476-34-2211)
○羽田空港支局 … 審査管理部門(03-5708-3211)
○中部空港支局 … 審査管理部門(0569-38-7413)
○関西空港支局 … 審査管理部門(072-455-1457)
○東京入国管理局 … 審査管理部門(03-5796-7251)
○名古屋入国管理局 … 審査管理部門(052-559-2112)
○大阪入国管理局 … 審査管理部門(06-4703-2152)
自動化ゲートについて注意点3つ
自動化ゲートについて、色々書いてきましたが、最後に注意点を述べます。
- 自動化ゲートは、パスポートを更新したら、再度登録が必要です。
- グループでの利用時、全員が登録済みでないと、足並みが狂います。
- 入国管理局は、日本人に対しては、顔認証ゲートを推奨しています。
現在のところ、自動化ゲートが廃止になることはないそうですが(電話で直接聞きました)、これからの出入国は、顔認証が主流となる見込みです。
あくまでも、一番早く審査を終えることができるという意味で、自動化ゲートをおススメしてきましたが、ライトユーザーにとっては、顔認証ゲートが、ベストな選択肢かもしれませんね。
出入国の早さにこだわるのなら、自動化ゲートは登録すべき
私は、ここ数年の海外旅行においては、自動化ゲートしか利用していません。
その理由は、早さもそうですが、何と言っても、列に並ぶのが嫌だからです。
普通のユーザーであれば、顔認証ゲートでも、十分実用性があるでしょう。
特に入国時、複数の到着便があると数百人、場合によっては千人以上の人が、一斉に審査場へと向かうこともあります。
顔認証ゲートでも、さばききれないことが多々あります。現に、何度も遭遇しました。
その点、自動化ゲートの利用ハードルの高さが、渋滞回避の裏道として役に立ちます。
長蛇の列を横目に、さっさと手荷物受取や、税関まで進めますので、あなたも登録してみはいかがでしょうか?
さらに素早く入国するならもうひと工夫。航空会社の上級会員になれる方法を試すといい
ここまで入出国を早く終える方法を紹介しましたが、入国時にもう少し効率をよくすることもできます。
それは航空会社の上級会員資格を持つことです。
帰国時、せっかく素早く入国したのに、飛行機に預けた手荷物が出てこなければ結局足止めされますが、上級会員は手荷物を優先して受け取れるのです。
デルタスカイマイルAMEXゴールドカードを持っていると、一発でデルタ航空の上級会員になれるので、預けた手荷物もいち早く回収できますよ。
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関連記事:旅ブロガーが海外旅行用クレジットカードの必要条件について熱く語ります。
終電を逃したくないなら、その後に通る税関も要注意です。
事前にお土産の免税範囲を確認して、余計な時間を取られないようにしましょう。
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他にも空港で役に立つ記事をまとめていますので、ぜひご覧ください。