台湾は東京から3時間程度で行ける島国です。
国土が小さいながらも、全域に鉄道網が張り巡らされており、初見の旅行者にとっても、旅しやすい環境が整っています。
今回は、台湾の首都である台北を素通りして、台湾鉄道を使って台南まで行くことにしました。
いつもどおり、写真をたくさん使って、旅の雰囲気が感じられるようにしていますので、ぜひご覧ください。
目次
旅日記1日目:台北から台南まで
※2018/9/24現在 1TWD(台湾ドル) = 3.68JPY(日本円)
旅の軌跡
04:00 起床、そして出発
羽田空港からは、台湾へのフライトが多数就航しており、都心からのアクセスが良好です。
東京南東部や、神奈川県中部以東に住んでいる人でしたら、早朝便での出発も、十分視野に入るでしょう。
関連記事:横浜市内から羽田空港への行き方。京急線かバスがメインで、条件によってレンタカーも便利。
ということで、本日は朝7:10の便を利用することにしました。
空港への集合時間は、およそ5:00。横浜近郊からだと、始発を利用しても間に合いませんが、早朝便で人も少ないだろうと踏んで、5:30着を目指して出発しました。
05:40 羽田空港到着
今回は、台湾が本拠地の航空会社である、チャイナエアラインを利用します。
スカイチーム所属の航空会社なので、デルタ航空上級会員の特典をフルに使わせてもらいます。
05:50 出国審査を終えてTIATラウンジで一服
チャイナエアラインはスカイチームのメンバーなので、デルタAMEXゴールドカードを持っていれば利用できます。
チェックイン時にラウンジクーポンをいただいたので、出国審査場から出てすぐのTIATラウンジを目指しました。
インフォメーションカウンターすぐ脇のエレベーターが目印です。
内部でクレジットカードラウンジ利用者と、上級会員とのラウンジが分かれています。
こじんまりとしたラウンジですが、利用者が少ない時間なら十分くつろげます。
荷物置き場がありますが、サクララウンジと違って、ロッカー式ではありません。
スタッフが巡回していますので、声をかけて搭乗券の時間を見せてあげると、シャワールームを利用できます。
アメニティ完備です。
このほかに、カミソリや歯ブラシなど、一通りそろっています。
早朝の時間帯であるためか、朝食メニューがメインでした。
ソフトドリンクとアルコールがおいてあります。
軽めにいただいてラウンジを後にしました。
空港ラウンジ訪問記【#002】羽田空港TIATラウンジ(2018/9)
- 食べ物:★★★★
- 飲み物:★★★
- 広さ:★★★
- スタッフ:★★★★
- 設備:★★★
総評:★★★
場所: 羽田空港国際線出国後エリア 4階 ラウンジ(中央)
シャワー:あり
食事:あり
軽食:あり
アルコール:あり
利用航空会社:チャイナエアライン
利用時資格:スカイチームエリートプラス会員
コメント:国内のラウンジにしては、比較的食事が充実していましたが、同空港のJALサクララウンジと比べると、どうしても見劣りしてしまうところです。
備考:珍しく紹興酒が置いてあったため、飲み物に加点。
航空会社用の上級ラウンジは、各エアラインの上級会員か、ビジネスクラス以上の利用者にのみ利用が許されていますが、デルタAMEXゴールドカードを持っていれば、自動的にスカイチームの上級会員となり、ラウンジを利用できます。
関連記事:作ってたくさん使うだけでゴールドメダリオン。デルタスカイマイルAMEXゴールドカードを持つメリットについて。
07:10 台北松山(ソンシャン)空港へとテイクオフ
第一印象は、シートピッチが狭い!でした。
フライト時間が短めなのが救いですが、何度かトイレを往復して、足を動かしたほうがいいかもしれません。
スリッパが標準でついています。
ヘッドホンは機内サービス以外の機器に対しては、モノラル仕様なので、自前のヘッドホンを用意しておきましょう。
10:00 松山空港着陸から鉄道駅へと
松山空港に到着後、すぐに音楽祭らしきイベントが開かれていました。
愛媛にも同名の空港がありますが、日本の空港ではありません。
ソンシャン空港という、台北市街地にある空港です。
日本で例えると羽田空港のような位置づけですね。
税関を抜けてすぐ左手に、銀行各社のATMがありましたので、キャッシングでサッと現金を調達してしまいました。
中国旅行の二の舞はごめんです。
関連記事:【中国】上海から紹興へとローカル列車で行ってきたお話【1日目】。優雅な飛行機旅から急転直下の資金難。
1,000ドルなどの高額紙幣は自販機や屋台などで使いづらいので、100ドル単位も指定しておきましょう。
交通費や宿泊費などを除いて、私の場合、二泊三日で1,500ドルあればちょうど足りました。
行く先を具体的に決めていなかったので、ここでいったん立ち止まることにしました。
西か東か、はたまた南か。
台北は北部の都市なので北は除いて、向かうなら南かと思いました。
問題は東西どちらから南下するかです。
ここのところ毎日が忙しく、ろくに行きたい場所も決めずに来てしまったので、この際どっち回りで行くかはコインで決めることにしました。
とりあえず南へ向かうことになったので、ぼんやりと台南でも行ってみようかと思い、空港内をぶらつきました。
しかし、どこにも鉄道駅らしき表記がありません。あるのはMRTとバスの案内ばかり。
これはもしや、鉄道駅と空港駅が離れているパターンではないか?と思い、素直にインフォメーションで尋ねることにしました。
やはり、台北駅まで行かなくては列車に乗れないそうなので、ひとまず地下鉄の駅へと降りることにしました。
10:15 MRTで台北駅を目指す
空港から一歩出ると、南国の空気が漂っていました。暑いです。
MRTの駅は、正面玄関を出てすぐ見つかります。
交通カードがあるようですが、初訪問ということで持っていなかったので、券売機で乗車券を買うことにしました。
それぞれの駅名に、対応する金額が書いてあるので、それに応じたものを購入しましょう。
漢字が読めれば何とでもなるでしょう。
マレーシアなどと同じく、トークンタイプの乗車券です。
入場ゲートでタッチして、降りる駅で回収するタイプです。
さっさと台北駅を目指すことにします。
「漢字が読めれば~」などと余裕かましていた割には、普通に逆向きに乗りました。
人間焦っていると、来た電車に飛び乗ってしまうようですね。反省。
逆側の電車を待つ間、日本から持参したプリペイドSIMカードをアクティベートし、現在地を確保しました。
路線図によると、忠孝復興駅という駅で乗り換えればいいようです。
日本でアクティベートすればよかったのですが、うっかり忘れていました。
素直にWifiルーターを借りておけばよかったなあ、と思った瞬間です。
10:50 何とか改札前でチケットを購入
日本以外の国では、切符を買って正しい列車に乗れば、ちゃんと目的地へ着くのがいいですね。
日本は国鉄私鉄入り乱れて、乗り換えが多すぎるのが好きじゃないです。
地下鉄台北駅で降りたら、台鐵(台湾鉄道)の案内板を頼りに歩きましょう。
写真は帰りのものです。行きは撮影する余裕がなかったので。
人が並んでいるとついつい後ろに並びそうになりますが、ここは高鐵(高速鉄道)の券売機なので、素通りしましょう。目指すはローカル列車一択です。
漢字に加えて英語もあれば、日本人にとってはかなり楽でしょう。
ご丁寧に、出発時刻と到着時刻がセットで表示されます。
出発ホームは、駅の電光掲示板を見ましょう。
また、ニッチトラベラーなら、必ず区間列車を選択しましょう。
台南まではせいぜい6時間弱です。何とでもなります。
ここでの選択は、基本はオートを選んでおくと通信が早いです。
ここまできて、無慈悲に満車のサインが。乗れないことはないですが、6時間弱立ち乗りとなります。
やった、少し安くなる!!
なんて喜んでいる場合ではありません。
飲み水もない、非常食もない、座席もない。この情況だと、目的地に着くころにはグロッキーとなっているのではないでしょうか。
まあでも、わざわざ台湾まで来たのです。
せっかくだから俺はこの列車を選ぶぜ!と心の中で叫んで、買っちゃいました。台南行き無座切符。
なお、券売機ではクレジットカードが使えます。AMEXが使えず、JCBが通るという変則ぶりです。
VISAは試していませんが、JCBがいけるのであれば、問題ないのではないでしょうか。
無料のVISAカードなら、海外旅行保険が自動付帯するのでエポスカードがおススメです。
関連記事:エポスカードは「得しかしない」クレジットカード。年会費無料でも海外旅行保険が手厚い!
台湾鉄道(台鐵)の時刻表は、次のサイトから検索できます。当たり前ですが、事前に調べていったほうが無難です。座席なしとならないよう、予約するのがベターでしょう。
参考:Train Timetable Information - Taiwan Railways Administration
11:18 台南行き区間列車出発
今回利用する列車は、高速鉄道ではないため、空調なしの可能性もあります。
熱中症に備えて、駅のホームで飲料水を購入しました。
台鉄駅のホームには大体自販機があります。
500ドル以上の高額紙幣は受け付けないので、100ドル札を用意しておきましょう。
コーラ風味の炭酸飲料ですが、ほんのり漢方の風味がしました。不思議な味でしたが、慣れればおいしいのかも。
お値段30台湾ドル(110円)ほど。
ホームでしばらく待っていると、南へ向かう列車が入ってきました。
台湾語でアナウンスが流れていましたが、当然理解できず、かじった程度の中国語力で解釈すると、座席のない人は1号車側に行けとのことだったので、あわてて移動しました。
車掌さんに切符を見せると、乗るようにうながされたので一安心。とりあえず、降りる駅さえ間違えなければ、目的地に着きます。
席はたくさん空いていましたが、以後の駅で乗ってくるはずなので、素直にデッキに立っています。
連結部から外の空気が入ってくるのですが、トンネルだろうがお構いなしなので、健康のためにも無座はなるべく避けましょう。
中国で乗った長距離列車の混雑具合と無法地帯ぶりを見ていると、この状況が100倍マシに思えるので不思議です。
経験って大事ですよね。
関連記事:【中国】上海から紹興へとローカル列車で行ってきたお話【1日目】。優雅な飛行機旅から急転直下の資金難。
この状況で、トイレの鏡に映る自分の目が、かつてないほどキラキラしており、我ながらヘンタイだと感じました。
まあ、連結部もそんなに悪くはないですよ。
周りをぐるぐる見渡しても気を使わないですし、台湾の生ぬるい風を感じることができますし、上機嫌で口笛吹いてもとがめる人がいませんから。
それに、右側と左側、両方の窓から写真を撮れるのはグッドです。
客車に入れば無条件で5時間40分立ちっぱなしですが、ここならひっそり地べたに座っていられますし。
なんだ、意外と悪くないじゃないか、無座。中国表記だと无座。
この日の台湾は、日本の秋雨前線などどこ吹く風のピーカン晴れでした。このため、日が高くなるにつれて、ジリジリ暑くなってきますが気にしないでおきました。
後から気づきましたが、座席なしでも客車の中には入れるようですね。ちらほら立ち乗りしている人がいました。
内部はエアコン付とはいえ、上で列挙した立ち乗りのメリットを放棄するのも惜しかったので、引き続き連結部に居座ることにしました。明日こそは座席を確保するぞ。
この時点で、ポーチの中からモバイルバッテリーと予備のスマホを抜いておきました。
腰紐がゴム素材で、重すぎるとずり落ちてくるので。
関連記事:
13:10 海が見えてきた
お昼過ぎ。
台湾西海岸の線路を、ひたすら南へ走り続けます。
地図で見ると、新竹市というあたりです。
海から距離があるのか、オーシャンビューとまでは言えませんが、その辺に風車が立ち並んでおり、海岸の風情がありました。
座ってぼーっと窓の外を見ていると、後ろから車掌さんに声をかけられてびっくり。
ああ、検票ですね……心臓に悪い。
台北から台南までの所要時間は、東京から名古屋へ鈍行を利用する程度です。
これでお値段455ドル(約1,700円)はお安いのではないでしょうか。しかもノンストップの直通便です。
他の記事でも散々言っていますが、日本の鉄道運賃は高すぎです。
これから先のルートを考えると、台南で一泊してから、台中へと戻って、最終日に台北から空港へ向かうのが順当です。この調子で台湾一周しようか、迷った末にやめました。
できないことはないですが、それをやると完全に列車に乗るだけで休みが終わってしまうからです。
何しにわざわざ台湾行ったのか、と言われちゃいますよね。ブログ的に。
周りの人にはしばしば誤解されますが、乗り鉄でも撮り鉄でもないので、素直に順当ルートを選ぶ予定です。
17:00 台南駅到着
時刻を見るとわかりますが、本当に長かったです。
色々と端折っていますが、車内販売を捕まえそこねてお腹がすいたり、暑さと水分不足で熱中症になりかけたり、散々な目にあって楽しかったです。
次もまた無座は勘弁ですが。
線路に犬が寝そべるのどかさです。
ホーム下をくぐって、反対側のホームから改札に行けます。
旅人のみなさん、どこへ向かうのでしょうか。
昔のJR改札口のような名残があり、ノスタルジックな気分になりました。
台南鉄道駅を出てすぐ左手に、観光案内所がありますので寄っておきましょう。
旅の情報は現地調達がメインですし、そのほうがおもしろいと思います。
英語も日本語も通用し、ウェルカムモードなので、気後れせずに入ってしまいましょう。
台南市の街角です。
あえて言うなら、シンガポールのような雰囲気です。
18:00 台南市街地のホテルにチェックイン
台南駅より歩くこと2,30分で着きます。
フロントは8階にあり、上下階に客室を置いたスタイルです。
不便そうでいて、いちいちフロントを通らずに部屋と街を行ったり来たりできるので、気を使わないで済みます。
カードキーがないと部屋のある階には行けないので、セキュリティも比較的良好です。
廊下に部屋のドアが立ち並んでいます。
10階はエコノミーということで、部屋が敷き詰められており、うるさい可能性があると、あらかじめ書かれていました。
部屋は広く清潔です。
備品類も充実です。
小ぶりながらバスタブまでついています。
へりに立たないように、と注意書きがありました。
運がよければ、バスタブ側の窓から、台南の夕景を臨めます。
旅人の宿屋【#005】ECFA Hotel Tainan
- 立地:★★★★
- 清潔度:★★★★
- 安さ:★★★★★
- スタッフ:★★★★★
- 設備:★★★★
総評:★★★★
場所:台南駅より徒歩20分ほど
対応言語:台湾語、中国語、英語
部屋タイプ:ツイン
シャワー:あり
バスタブ:あり
アメニティ:歯ブラシ、カミソリ、シャンプー、ボディーソープ
飲料水など:水、インスタントコーヒー
値段:612台湾ドル程度(約2,300円)
コメント:宿泊日が平日だったせいもあるかもしれませんが、設備やサービスレベルと比較して、値段の安さが光ります。インロック時の対応など、スタッフの親切さも心地よかったです。
備考:エコノミーフロアという位置づけで、壁の薄い部屋です。とはいっても、日本のビジネスホテルのほうが壁が薄いと思います。熟睡したいのであれば、他のホテルを選ぶか、格上の部屋にしましょう。
20:30 小北夜市で食事
台南市内には、数か所の夜市があり、市場ごとに開催する曜日が決まっているようです。
朝食以降、何も口にしていなかったので、ホテルから近いほうの夜市に行くことにしました。
市場内には、所せましと食堂が立ち並んでいます。
蛇肉とのことですが、本当でしょうか。
ネタにはなりそうですが、さすがに試す気にはなれませんでした。
通りに面した食堂の一つへと入ることにしました。
注文を紙に書いて渡すスタイルで楽そうだったので。
漢字のつづりを頼りに、肉入りあんかけご飯を頂戴しました。羊肉燥飯だったかな?肉食べている感じが強く、胃袋が喜んでいました。
後から知りましたが、ラムかマトンかと思いきや、これってヤギ肉らしいですね。まあ、おいしければなんでもいいです。
台湾、それも台南特化で、現地情報を網羅しているサイトがありましたので、紹介します。食べ物の写真がおいしそうです。
参考:台湾の羊肉はヒツジの肉ではない!台南で食べるなら老曽羊肉! - 台湾で迷子なう
大瓶ビールをつけて150ドルです。食堂にしてはこれでも高いほうです。
テレビニュースが流れていましたが、漢字だけのテロップでも大体の意味が通じました。
それもそのはず、台湾で使われている単語は、中国とは系統が違うようで、日本寄りの表現や字体が、そのまま使われていたりします。中国では「告別式」なんて言葉はないはずです。
言葉の通じない異国にいながら、漢字で現地の情報が入ってくるのは、不思議な感覚でした。
22:30 飲み物を買ってホテルへ
どこをどう歩き回ったかわかりませんが、台南の夜は比較的早く終わるようです。
食堂はもちろんですが、そもそも10時を回ると閉まっているお店のほうが多かったです。
更に言うと、バーや居酒屋のようなお店自体が少なく、お酒と縁遠い国民性が垣間見えました。
ホテルへと戻る途中、スーパーがあったので、飲み物と軽食を調達して行くことにしました。
いかにも辛そうな米菓子がお菓子コーナーの一押しだったので、ついつい手に取ってしまいました。
その他、台湾ビールなどが1缶30ドル強(約110円)でした。
飲まない人が多い割には、酒税が安いようですね。
振り返ってみて
台湾へ来たのは初めてでしたが、大陸と比べて穏やかな人々が住んでいると感じました。
道を譲ったらシェイシェイ、エレベーターで先に行かせたらシェイシェイ、街のそこかしらでシェイシェイ。
世界でもっとも、日本人の感性になじみやすいのではないでしょうか?
日本だと、何かしてもらっても会釈で済ませてしまうことが多いのですが、お礼は口に出して伝えるほうが、個人的には好きです。
少しだけかじった中国語の知識と照らし合わせると、シェイシェイのイントネーションが違う気がしたのが印象的でした。
北京語メインで勉強したからかもしれません。