外国で屋台に入るのはハードルが高いと思っていませんか?
確かに見ず知らずの国の屋台には抵抗を覚えるのが普通だと思いますが、ソウルをはじめとした韓国の屋台は、軽く立ち寄って食べるのにちょうどいいですよ。
この記事では、韓国の屋台や露店で食べられる定番メニューについて解説しています。
韓国語表記や日本語での発音、2019年現在の目安金額も掲載していますので、これから屋台巡りを考えている方は、ぜひご覧になってください。
なお、この記事に使われている写真の一部は、読者から提供いただいたものです。この場を借りてお礼申し上げます。
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目次
韓国の屋台はローカル向け。日本語メニューはないと思ったほうがいい
近年の韓国は外国人観光客向けに多言語対応が進んできています。
地下鉄などは最たるもので、入り口の駅名看板や路線図、アナウンスまで日本語が流れたりするので、非常に観光しやすくなりました。
しかし、屋台のメニューとなるとそうはいきません。
明洞などの繁華街に出てくる露店では、ちゃんとした日本語メニューが併記されていることもありますが、普通は多言語対応していませんので注意が必要です。
写真のようにメニューがあったとしても、無理やりな翻訳であったり、一部しか訳されていません。
でも気後れすることはありません。
屋台に入れば目の前においしそうな(そしてよくわからない)食べ物が並んでいるので、指さすだけで簡単に注文できます。
よほど悪質なお店でなければ、吹っ掛けられることもありませんので、安心して楽しんでしまいましょう。
韓国はクレジットカードの通用率が非常に高いのですが、屋台は現金決済が主流ですので、事前に韓国ウォンを確保しておく必要があります。
私はいつもキャッシングしか使いませんが、海外で現金を調達する方法について、別記事にまとめておきましたので参考にしてください。
関連記事:海外旅行で現金を調達する3つの方法。両替手数料よりも便利さ優先で。
キャッシング用のクレジットカードは年会費無料のものでじゅうぶんです。
関連記事:旅ブロガーが海外旅行用クレジットカードの必要条件について熱く語ります。
関連記事:エポスカードは「得しかしない」クレジットカード。年会費無料でも海外旅行保険が手厚い!
屋台と露店でよく出る食べ物の韓国語表記まとめ
屋台と露店でよく見かける食べ物のメニューをまとめました。
わざわざ呼び名を分けたのは、日本では同じ屋台でも、韓国では微妙に異なる業態だからです。
- 屋台=ポジャンマチャ、ビニールなどで天幕が張られておりテーブルに座って食す。露店より割高だがお酒がある。
- 露店=ノチョム、立ち食いと持ち帰りがメインでお酒の提供なし。安価。日本人的な感覚で言う屋台はこちら。
日本語表記がなくてもわかるよう、韓国語表記と発音方法、おおよその金額を載せておきます。
私が韓国にいたのは10年近く前でしたが、以来物価の上昇が激しいので、いったん2019年現在の目安価格とさせてください。
※1,000ウォン=100円と考えてください。
※金額は1人前の目安ですが場所によって変動が大きいです。2人前から提供されるかわりに他のおかずが付くようなメニューも多いです。
떡볶이(トッポキ、3,000ウォン~)
トッポキは棒状の餅と野菜類を、甘辛いトウガラシソースで煮詰めた料理です。
韓国ではおやつとして食されることが多いのですが、1人前全部食べるとおなかが膨れます。餅なので当然ですが。
お店にもよりますが、青唐辛子が入っていたりすると非常に辛いです。
辛さを逆手にとって、寒い日のホットフードとして活用してもいいでしょう。
亜種として치즈 떡볶이(チーズトッポキ、チーズトッピング)、라볶이(ラーポッキ、ラーメントッピング)などがあり、おいしく食べるために様々な改良を施されてきた料理でもあります。
순대(スンデ、3,000ウォン~)
スンデはいわゆる腸詰です。
豚の腸に、もち米やチャプチェ(春雨のようなもの)、野菜と豚の血液などを詰め込んで蒸したソーセージです。
きちんと火を通すので、生臭い感じはありませんが、独特の風味に見た目のグロテスクさも相まって人を選ぶ料理です。
好物だという人もいるでしょうが、私としては定番料理に飽きたあたりで食べるのがいいのではないかと思います。
김밥(キムパプ、2,000ウォン~)
みんな大好き、韓国風海苔巻きです。
海苔に塗られたごま油の香りと、非常に豊富なバリエーションが特徴です。
〇〇(具材の名前)+김밥 = 〇〇김밥 と表記するので、何が使われているかわかれば、非常にお手軽なグルメです。
屋台では単一メニューが多いのですが、街中にはキムパプ専門店がたくさんあります。
せっかくなので具材の名前を一通りご紹介しましょう。
- 계란(ケラン、薄焼き卵焼き)
- 야채(ヤチェ、野菜)
- 참치(チャムチ、ツナ)
- 돈까스(トンカス、トンカツ)
- 치즈(チーヂュ、チーズ)
- 스팸(スペム、スパム)
- 새우(セウ、エビ)
- 소고기(ソコギ、牛肉)
- 불오뎅(プルオデン、辛オデン)
個人的には安心感ナンバーワンの料理ですが、屋台よりも専門店で食べたほうがおいしいです。
参考:キムガネ(김가네)
만두(マンドゥ、2,000ウォン~)
マンドゥは漢字で「饅頭」ですが、韓国では水餃子のことを指します。
後述しますが、揚げると튀김만두(トゥイギムマンドゥ)となり、カリカリの食感を楽しめます。
屋台ではゆでたり蒸したりで提供されることが多いのですが、분식점(プンシク、単品定食屋のこと)に行くと、スープごと水餃子として注文したりもします。
この場合、만두국(マンドゥクク、餃子スープ)と呼びます。
ほとんどそのまま水餃子ですが、ニンニクが多めに使われていることが多いです。
味は優しいのですが、胃には負担がかかることがあるので注意が必要です。
튀김(トゥイギム、2,000ウォン~)
トゥイギムとは揚げ物料理全般のことです。
揚げるという意味の「トゥイギダ」の名詞形ですが、そのまま料理名にも使われています。
食べ物の名前というより、調理法そのものなので、素材もいろいろです。
屋台では何種類か選んで目の前で二度揚げしてもらったあと、甘辛ソースにまぶしてくれます。
タネはてんぷらに近いですが、微妙に異なります。天ぷらよりも固いです。
代表的なトゥイギムは次のようなものです。
- 새우(セウ、エビ)
- 오징어(オジンオ、イカ)
- 고구마(コグマ、さつまいも)
- 만두(マンドゥ、餃子)
- 김밥(キムパプ、海苔巻き)
- 계란말이(ケランマリ、卵焼き)
- 고추(コチュ、トウガラシ)
一通り制覇してみるのもいいですが、野菜少な目なのが玉に瑕でしょうか。
오뎅(オデン、500ウォン~)
オデンはおでんから作られた料理ですが、おでんとは似て非なるものです。
何のことかわからないかと思いますが、要は韓国にもオデンという料理があって、日本のおでんとは相当違う料理ですよ、という意味です。
オリジナルの料理からだいぶかけ離れたという点では、アメリカの寿司ロールのようなものです。
魚のすり身を串に刺した料理で、つまみにも間食にもよいです。
辛くないので誰でも食べることができます。
ノチョムで食べるときの特徴として、オデンスープがサービスで付く点をあげられます。
寒い冬場は、だし汁目的でオデンを注文するのもアリです。
関連記事:真冬のソウルでB級グルメ!寒くてもポジャンマチャ(屋台)を楽しむ方法。
짜장면(チャジャンミョン、6,000ウォン~)
チャジャンミョン、つまりジャージャー麺です。
ドラマでよく見る、黒くてよくわからないあの麺料理です。
甘じょっぱい黒ソースを絡めた中華麺ですが、半分韓国の国民食のようになっています。
露店で見かけることは少ないと思いますが、店舗型のポジャンマチャや定食屋にあったりしますので、念のため載せておきます。
족발(チョッパル、6,000ウォン~/12,000ウォン~)
チョッパルは豚足のことです。
豚の足(脚にあらず)をゆでて出すのですが、そのままゆでるタイプと、香草やタレと一緒に煮込んで出すタイプがあります。
黒っぽければタレと一緒に煮込んでいます。
この豚足、専門店の前からはとてつもない異臭がしますが、実際の完成品はそこまで臭わないので安心です。
お酒のつまみにちょうどいいでしょう。
屋台で出る場合と専門店で出る場合は、量やサービスに大きな開きがありますので要注意です。
계란빵(ケランパン、2,000ウォン~)
いわゆる大判焼きです。
単品メニューの屋台でよく売られており、屋台というよりは露店メニューです。
小腹が空いたときや、食後に物足りないときなどによく食べていました。
호떡(ホトク、1,000ウォン~)
続いて露店メニューのホトクです。
昔は500ウォンで食べられたのになあ、などとノスタルジックな気持ちになるお年頃です。
文章だと非常に名状しがたいのですが、ホットケーキとお餅と揚げ饅頭を足して割ったようなものといったところです。
正直、非常に紹介しづらいというのが本音ですが、おいしいのは確かです。
おなかに余裕があるときにどうぞ。
어묵(オムク、2,000ウォン~)
オムクとは魚のすり身の総称です。
オデンとほぼ似ていますが、若干ニュアンスが異なります。
オデンよりも海の香りをそのまま凝縮したようなイメージです。
韓国南部の漁港都市プサンに行くと、街のそこらで売られており、大変美味です。
串刺しで売られていることもあり、食べ歩きにも適しています。
関連記事:【韓国】ソウルからプサンまで半島縦断途中下車の旅。ムグンファ号の旅も終着駅。南端の広域市プサンへと到着。【5日目】
핫도그(ハッドグ、3,000ウォン~)
説明不要かもしれませんが、そのまんまホットドッグです。
正直解説の余地もありませんが、あえて韓国の屋台まで来て食べずとも、他のおいしいものを食べていただくのがいいのではないかと思います。
치킨(チキン 6,000ウォン~)
こちらも説明不要、チキンです。
説明不要…なのですが、ホットドッグよりは試していただきたいところです。
屋台よりは専門店で食すのがおすすめです。
반마리(ハーフ)6,000ウォン、 한마리(1羽丸々)12,000ウォンなら適正価格でしょう。
ポジャンマチャならもう少し安いかもしれません。
꼬치(コチ、1,000~5,000ウォン)
コチとは串を意味します。
屋台でコチというと幅が広すぎるので、値段の開きもそれなりにあります。
高級品になると、ロブスターを串に刺したものまでコチと呼ばれるため、注文の際にはご注意を。
コチの定番ネタは、ソーセージやエビ、イカ、鶏肉、ラム肉、牛肉、豚肉、などなど何でもござれです。
非常におおざっぱですが、串にささっていたら皆コチです。
닭강정(タッカンジョン、5,000ウォン~)
最後に重めの一品を持ってきますが、こちらは鶏のから揚げです。
中華料理屋では定番ですが、甘酢あんかけで食すことが多いです。
屋台などではトウガラシソースがかかっていることもあります。
以前韓国の地方都市を旅していたときに食べた、半月堂というお店のタッカンジョンが美味でした。
関連記事:【韓国】ソウルからプサンまで半島縦断途中下車の旅。ムグンファ号の旅も終着駅。南端の広域市プサンへと到着。【5日目】
屋台で飲めるお酒のハングル表記を紹介
屋台でもお酒は飲めますが、それほど種類は多くありません。
ビールか焼酎がメインですので、韓国語表記を覚えてしますと指差し注文もしやすいでしょう。
先に書きましたが、一般的にお酒を出してくれるのはノチョムではなく、ポジャンマチャです。
お酒が飲みたい方は間違えないようにしましょう。
맥주(メクチュ、3,000ウォン~)
麦酒、つまりビールのことです。
韓国のビールは麦芽含有率が少ないのか、日本のビールに慣れていると薄く感じるでしょう。
日本でいう第3のビールに近い味わいです。
個人的にはMaxという銘柄のビールが、一番ビールらしいと思うのですが、屋台や居酒屋ではあまり見かけませんでした。
생맥주(センメクチュ)と表記があれば生ビールです。チキン専門店などでお目にかかることができます。
소주, 참이슬, 처음처럼, 좋은데이(ソジュ、3,000ウォン~)
チャミスル、チョウムチョロム、チョウンデイ、いずれも韓国焼酎のことです。
韓国焼酎の代名詞といえば「眞露」ですが、チャミスルとは眞露の訓読みなのです。「真のしずく」ということですね。
製法ですが、穀類を醸造してアルコールを作り、蒸留した後に竹の炭でろ過するそうです。
ロシアのスピリッツであるウォッカと似たような製法であるためか、純粋なメチルアルコールの味わいです。(ウォッカは白樺の炭でろ過する)
昔のチャミスルは25度と高アルコール飲料でしたが、アルコール中毒が増えすぎたのか、2000年代後半からチョウムチョロムなど、徐々に度数の弱い焼酎が登場しました。
味に大差はないので、ポスターの好き嫌いで選ぶのも一興です。
余談ですが、ヤクルトなどの乳酸菌飲料で割ると非常においしいです。
막걸리(マッコルリ、4,000ウォン~)
もはや有名になってきましたが、マッコルリは濁酒のことです。
日本のどぶろくよりもアルコール度数が弱く、乳酸菌のさわやかな風味があるため、女性にも飲みやすいのですが、服に着くと白いシミができますので、非常にかっこ悪いです。
炭酸ガスが含まれているため、ボトルを開けるときには注意しましょう。
逆さにひっくり返すと、ペットボトルの底に成分が沈殿していますので、逆さのままクルクル回すと上手に混ぜることができます。
よくマッコリと表記されますが、現地ではマッコルリと言ったほうが伝わりやすいと思います。
「ル」の部分を巻き舌っぽく発音するのがコツです。
管理人のおすすめはオデンとキムパプ
屋台といっても扱う食品や店舗形態によって様々です。
気の向くままに屋台をめぐって小腹を満たすのは楽しいですよね。
考え方によっては、しっかりとお店を構えた場所に入るよりも立ち寄りやすいです。
韓国が初めての方には、オデン(魚の練り物串)とキムパプ(韓国海苔巻き)をおすすめします。
共に日本食と似ており、刺激も少ないのですが、細かいところでお国の違いがわかるでしょう。
ぜひ、屋台でお気に入りの味に巡り合ってみてください。
関連記事:韓国で屋台料理を楽しむときに気を付けること。基礎知識があると安心。