この記事は、真冬のソウルでB級屋台グルメを楽しみたい方のために書いたものです。
韓国でも北部に位置するソウルの冬は、想像を絶するほどに寒いです。
冬場に韓国を訪問するなら、ちゃんとお店を構えているところで食事をとるべきですが、それでも屋台料理を楽しみたい!という方もいるかと思います。
この記事を読んで、冬の寒さにも負けず、思う存分ポジャンマチャ巡りを楽しんでください。
目次
韓国の冬は寒すぎるので屋台に行くのは正直どうかと思う
いきなりで申し訳ないのですが、この記事を読み始めたあなたにとって、読む気をそぐ一言を申し上げます。
真冬の韓国で屋台に行くのはノーグッドです。
理由は寒すぎる他にありません。
韓国の冬は非常に厳しく、マイナス2桁は当たり前です。
住んでいた経験から語ると、寒いを通り越して痛覚に訴えかけてくる冷たさです。
その冷たさに肌の感覚はマヒし、鼻水は凍り、悲しくもないのに涙があふれてくるでしょう。
理屈はわかりませんが、かまいたちに切られたように、スッパリ指先が裂けることもありました。
やる人はいないでしょうが、外で寝たら凍死します。
でも、せっかくソウルに行くのなら試してみたいですよね?屋台。
真冬に韓国旅行をするのも何かの縁です。
どうせならどうやって冬に屋台を楽しむか、アイデアを挙げていきましょう。
冬場の韓国でポジャンマチャを楽しむための前準備
韓国語で屋台はノチョムもしくはポジャンマチャと呼ばれますが、冬場につきポジャンマチャを中心に解説しています。
ノチョムは露店、ポジャンマチャは布張馬車と書きます。
ポジャンマチャは布や帆を張って作った急造店舗を意味しますが、現代では布の代わりに、ビニール製の断熱テントを利用しています。
ノチョムよりはポジャンマチャのほうが寒さに強いのですが、野外店舗なので冬場は防寒対策が必須です。
過酷な気温で野外飲食を楽しむなら、それなりの工夫が必要です。前準備は怠らないようにしましょう。
服装はアウターよりもインナーを重ね着して。肌の露出は最低限にしよう
まずは基本の防寒についてです。
寒さをしのぐ格好といえば、コートやジャンパーなどのアウターを想像することが多いかと思いますが、経験上大事なのはインナーです。
インナーを複数枚重ね着することによって、服と服の間に層ができ、保温効果が増します。
手袋は無条件で装着してください。オシャレ重視の革製よりもゴアテックスなどの断熱素材を選ぶべきです。
帽子とマフラーをつけて、顔が露出する面積を減らすのも効果的です。
私は大学時代、マフラーを口元まで覆いながら暮らしていました。
また、寒さのあまり耳が取れそうな感覚すら覚えるため、帽子をかぶるなら耳まで保護すると快適です。
現地の格好は現地にならうという意味では、韓国人経営のファッションサイトを覗いてみるのもいいでしょう。
女性向けにつき、男性諸氏には恐縮ですが。
ホテルに近い屋台街を探しておくこと
昼間からやっている屋台もありますが、大部分の屋台は日が落ちてから営業を始めます。
ただでさえ寒いソウルの街は、日没を迎えると一段と冷え込みます。
寒さに耐えきれなくなったらすぐに撤退できるよう、滞在先に近い屋台街を探しておきましょう。
露店のトイレは汚かったり、近くの雑居ビルのトイレを使うことが多いので、化粧室の確保という意味でも重要です。
ポジャンマチャなら、종로3가(チョンロサムガ)駅付近の屋台街が、明洞などの市内中心部からアクセスしやすいです。
静かに飲みたいなら13番出口のあたり、それなりに賑わっているのは3番出口のあたりです。
市場の中にある屋台も、空っ風をしのげるのでおすすめです。こちらはノチョム(露店)のほうですね。
광장시장(クァンジャンシジャン)などがアクセスしやすいでしょう。
屋台料理ではありませんが、ユッケ専門店が立ち並ぶことでも有名です。
関連記事:【韓国】生肉好き朗報!ユッケとレバ刺しの名店チャメチプのお話。
韓国ではGoogleMapの情報が不正確なので、事前にカカオマップをインストールしておくといいです。
関連記事:【韓国】韓国行くならカカオマップが必要。インストールと利用方法について解説。
日が沈む前に現金を調達しておくこと
韓国はクレジットカード社会です。
クレジットを使えない店舗よりも使える店舗が多いため、現金がなくても快適に過ごせますが、固定の店舗を持たない屋台では、カード決済ができないことがあります。
日が落ちると両替商や銀行は営業終了となりますので、それ以前に現金を両替するか、ATMを見つけて現金を引き出す必要があります。
関連記事:海外旅行で現金を調達する3つの方法。両替手数料よりも便利さ優先で。
私個人としてはクレジットカードを使ったキャッシングをおすすめします。
両替店や銀行の店舗よりもATMのほうがアクセスしやすいためです。
年会費無料でキャッシングができるカードでおすすめはエポスカードです。
海外旅行保険が無料でついているため、万が一おなかが痛くなっても保険を使って病院に行けます。
病院選びも日本語サポートつきなので安心ですね。
関連記事:エポスカードは「得しかしない」クレジットカード。年会費無料でも海外旅行保険が手厚い!
極寒の街中でポジャンマチャを選ぶときのポイント
寒い日に屋台で一杯楽しむ場合、ポジャンマチャを選ぶことになりますが、いくつかポイントがあります。
屋台にも色々種類がある。冬場は店舗型のポジャンマチャがおすすめ
日本で屋台というと、ラーメンやおでんを売り歩く移動型店舗を思い浮かべるでしょう。あるいは、単品メニューを売りさばく露店を想像するかもしれません。
韓国も同じですが、日本とは違って固定型の店舗でもポジャンマチャと呼んだりします。
移動型の店舗でも、間食やテイクアウト中心のお店は、ノチョム(露店)と呼んで区別します。
ノチョムでは食べ物しか売っておらず、お酒は置いていません。
また、移動式の店舗は、複数集まって屋台群を形成することがあります。
メニューは両者共通していますが、店舗型のポジャンマチャは居酒屋に近いです。
ややこしいでしょうか?つまり次の4種類なのです。
- 移動型間食販売(座席なし、お酒なし)⇒ノチョム
- 移動型居酒屋(座席あり、お酒あり)⇒ポジャンマチャ
- 屋台群(座席あり、お酒あり)⇒ポジャンマチャ
- 店舗型居酒屋(座席あり、お酒あり)⇒ポジャンマチャ
ポジャンマチャのバリエーションが多いですが、冬に行くなら店舗型のポジャンマチャを選ぶといいでしょう。
暖房設備がしっかりしているため、冬でも快適に屋台メニューを味わうことができます。
逆にどうしても屋台らしい屋台メニューを食べたい!という場合は、1品くらい軽く食べて、あとは持ち帰ってホテルで食べるという手があります。
포장해 주세요.(ポジャン ヘジュセヨ)
と言えば、だいたいの料理は包んでくれるはずです。
屋台のおばちゃんに余裕がありそうなお店を選ぶこと
屋台の料理は簡易的なものが多く、味の優劣をつけるのが難しいです。
いいお店とそうでないお店を分けるなら、屋台を切り盛りしているアジュンマ(おばちゃんの)で決めるといいでしょう。
韓国のマダムは、日本と比べると全体的にパワフルです。
情に厚いところもあるのですが、忙しかったり不機嫌だったりすると、あまり歓迎されないかもしれません。
前回訪れたときは、選んだメニューが気に入らなかったのか、ブツブツ文句を言われたので、すぐさま次のお店に切り替えました。
少し暇そうにしているくらいのお店に入ると、にこやかに対応してくれるので覚えておきましょう。
屋台には日本語メニューがないことが多い
露店での注文方法は、普通のお店より簡単です。
目の前に食べ物があるので、指差しするだけです。
店舗型ポジャンマチャの場合は少しハードルが上がりますが、写真があればやはり指差しするといいでしょう。
いずれにせよ屋台に日本語メニューを求めるのは、やめておいたほうがいいです。
事前に食べたいものの発音を覚えておくか、食べたい料理のハングルを見せるという手段があります。
写真を見せるのも効果的です。
次の記事で、屋台でよく出るメニューの解説とハングル表記をまとめていますので、これからポジャンマチャにトライする方は参考にしてみてください。
関連記事:ソウル屋台のおいしい定番メニューまとめ。ハングル(韓国語)表記と相場目安。
冬場の屋台で楽しみたいホットメニューについて
韓国の屋台ではそれほど冷たいメニューはありませんが、せっかく冬場に楽しむなら温かい食べ物に限ります。
定番メニューばかりですが、寒空の下で食べたい屋台料理を紹介します。
오뎅(オデン)
おでんは日本から伝わったそうですが、こんにゃくや巾着、卵などの具材はなく、基本的に練り物串のことを指します。
紛らわしいので、このブログでは「オデン」と書いて区別します。
日本人向けの紹介だと串刺し練り天と呼ばれることがあるようです。
ポイントは、ノチョムで注文するとサービスでオデンスープを飲めること。
紙コップが置いてありますので、オデンを注文したらセルフサービスでいただきましょう。
辛くない料理なので、トウガラシが苦手な方にもおすすめですよ。
ノチョムでもポジャンマチャでもいただけますが、手軽に楽しむならノチョムがいいでしょう。
相場は1本500ウォンから1,000ウォン(約50円~100円)程度ですが、串から外してお椀単位で提供してくれる店だと、3,000ウォン/杯程度だったりします。
떡볶이(トッポッキ)
トッポッキを直訳すると「もち炒め」ですが、もち以外にも玉ねぎやトウガラシ、前述したおでんの切れ端などが入っています。
お店のさじ加減にもよりますが、基本的には激辛です。
ソースには水あめも入っていますが、トッポッキを食べると、辛さと甘さは共存するものなのだと思い知らされるでしょう。
チーズが入っていると若干マイルドになります。
お椀にビニール袋をセットした状態で盛り付けられることがありますが、これは持ち帰りを想定してのこと。
洗い物を出さない知恵でもあります。
ちなみに、ハングルの発音を考慮すると「トッポギ」と呼ぶのは誤りなのです。
「トッポッキ」もしくは「トッポキ」と言うと、それっぽく聞こえるでしょう。
계란찜/계란탕(ケランチム/ケランタン)
私が行った屋台ではあまり見かけませんでしたが、メニューを見かけたら試してほしい料理です。
店舗型のポジャンマチャではよく見かけ、つきだしで提供されることも多い一品です。
ケランチムは韓国風茶わん蒸しと言われますが、トゥッペギと呼ばれる小さな陶器鍋に卵液を入れて、グツグツ煮込んで作ります。
茶わん蒸しとはまた違った、しっかり目の食感が特徴です。
ケランタンも作り方が似ていますが、スープが主体です。
韓国語で「タン」は「湯」と書き、スープのことを指すのです。
温かいものが食べたいときには覚えておきましょう。
指差しで食べたいものを選べるのが屋台のいいところ。臆せず席に座って笑顔で乗り切ろう
屋台料理のいいところは、いい意味で期待以上も期待以下もない点です。
これは私の経験ですが、言葉の通じない場所では、なるべくシンプルな方法で食事にありつけると満足度が高まります。
関連記事:言葉の通じない海外レストランでスムーズに注文する方法。
最後に、韓国で屋台を楽しむ秘訣をお伝えしましょう。
店員との距離が近い屋台では、まずは自分がにこやかに話しかけるといいです。
日本の接客は、牛丼チェーンであっても徹底的に愛想を叩き込まれますが、世界基準は珍しいこと。
知り合いでも身内でもないお客さんに対して親切にしてくれるのは、高級店だけです。
それでも、韓国のことわざで「笑いっつらに唾は吐けぬ」というフレーズがあります。
相手も人間ですので、友好的なお客さんには優しく接してくれるはずですよ。